試合結果

2022.05.21

2022年5月20日 新木場大会

2022年5月20日 新木場大会

天龍プロジェクト
『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズ第2戦
WRESTLE AND ROMANCE Vol.2

2022年5月20日(金)/東京・新木場1stRING


 4月大会からスタートした天龍プロジェクト新シリーズ『WRESTLE AND ROMANCE』。第2戦となる5月大会は、セミファイナルでIJタッグ選手権試合が行われ、これまで2度の防衛に成功してきた佐藤光留&矢野啓太組が谷嵜なおき&児玉裕輔組に敗れる波乱が起きた。

 シングルでの対戦を重ねた後にタッグを組んだ光留・矢野組は序盤から試合ペースを握り、ゆりかもめとアンクルで挑戦者組を捕獲するも挑戦者組は諦めない。谷嵜がカットに入ると王者組を分断、連携し地獄の断頭台で矢野を痛めつけると、児玉がフェイスロックでギブアップを奪った。

 勝利した谷嵜&児玉組は「ひとまずスタートラインに立った。次はどこの誰とやろうか、とりあえず今日は、酒を飲もう」と勝利を喜び、破れたこじらせタッグは別々にリングを降り、試合後に光留は「佐藤光留と矢野啓太が負けても一緒にいる方が不自然」とツイート。かつてシングルで激闘を繰り広げた両者が再び、コーナーを別にして向かい合う可能性が浮上した。

 メインではIJシングル王者・TORUに仁木琢郎が挑戦。攻め込む仁木のペースを崩し、要所要所でダメージを与えていくTORUが最後まで試合をリード。最後はドロップキック連打でとどめを刺し、ベルトを防衛した。

 試合後、仁木は「こんなビッグチャンスもらったのに、ダメだった。2AWの仁木琢郎、もうちょっとだった」と悔しさをにじませながらも「確かにチャンピオン強かったけど、俺は何回でも、千葉にあのベルトを持ち帰るまでやってやる。そんなに遠くないベルトだと俺は思った」と、気持ちでは負けていない様子。TORUは「天龍プロジェクトの顔として、この団体を背負っていく覚悟のあるやつだったら挑戦を受ける」とマイク。今後、名乗りを上げる者が誰になるのか。次回大阪大会では天龍プロジェクトのもう1つのベルト、6人タッグ選手権が実施される。


▽第1試合 シングルマッチ(30分1本勝負)

◯椎葉おうじ(7分24秒 首固め)吉田和正●

 オープニングマッチは若手同士、大日本プロレス所属・吉田和正と天龍プロジェクト定期参戦中のフリー選手・椎葉おうじの対決。185cmの吉田と166cmの椎葉がぶつかり合う。

 タックル合戦は体格で勝る吉田が競り勝ち、ボディスラムで高々と椎葉を持ち上げてショルダースルー。椎葉は低空ドロップキックで吉田の足を狙って形成逆転、寝かせたところにフットスタンプ。逆片エビで吉田の腰を痛めつける。

 吉田も負けじとドロップキックを椎葉の顔面にたたき込んでブレーンバスター。椎葉は横入り式からバズソーキック。スパインバスター、これはカウント2。2度目のブレーンバスターを狙う吉田をすかさず椎葉が丸め込んで3カウント。テクニックで上回った椎葉が天龍プロジェクト初勝利をあげた。


▽第2試合 タッグマッチ(30分1本勝負)

◯SUSHI&菊タロー(10分47秒 片エビ固め)翔太&レイパロマ●
※ライトニングフラッシュ

 天龍プロジェクト名(迷?)物の第2試合に前タッグ王者『ハッとしてGood』の翔太がパロマと組んで参戦。

 先発は翔太と菊タロー。リストを取られた菊タローが足を崩してヘッドロックを取り返す。テクニック合戦を見せる両者、観客からは意外そうなどよめき。ロングタイツでアクシデント対策も万全のパロマ、SUSHIへヘッドシザーズ。リング中央で腰をひねるパロマのタイツに菊タローが手をかけると、焦ったパロマはSUSHIの不意打ちをくらい、SUSHI&菊タローペースで試合が進んでいく。リング中央、ダブルアームの体勢で菊タローに捕まったパロマ。あわやアクシデント再発という場面を翔太が救出する。

 翔太がSUSHI・菊タローの同士討ちを誘うも、菊タローはバックドロップで逆転。飛び込んだパロマはすかさずSUSHIへヘッドシザーズ、しかしここでタイツがまたしてもずり下がってしまう。逆さ押さえ込みからマヒストラルと千鳥足状態ながらテクニシャンぶりを見せたパロマだったが、SUSHIのライトニングフラッシュがさく裂。場外で菊タローが翔太を半ケツに持ち込んでいる間に、3カウントを聞いてしまった。

 破れたパロマは菊タローの挑発に「そんなに俺のケツが見たいなら、俺よりすごいケツを持ってきてやる。聞いてビックリするなよ」とマイク。6月の大阪大会ではタッグパートナーとして男盛を連れてくると予告した。


▽第3試合 タッグマッチ(30分1本勝負)

◯拳剛&渡瀬瑞基(10分19秒 首固め)河上隆一&クワイエット・ストーム●

 シリーズ開幕戦の4.19に続いて参戦するバルクオーケストラ・河上&ストーム組。前回敗北している拳剛&渡瀬組は何としてもリベンジを果たしたいところ。ゴング前から拳剛&渡瀬組が急襲し場外へ。不意を突かれたバルクオーケストラだったが、場外戦ですぐさま形成逆転。拳剛・渡瀬を捕獲して踏みつけ、天龍プロジェクトのリングでまたしてもマッスルポーズを決めてみせる。

 孤立する拳剛をいたぶり続ける河上とストーム。たっぷり体重をかけて逆片エビ、エスケープした拳剛はドロップキックからプランチャ。渡瀬にタッチしてミサイルキックを放つもバルク組は倒れない。前回同様、自身の試合ペースに持ち込めず苦戦する拳剛・渡瀬組。サンドイッチ攻撃から低空クロスボディをくらった拳剛。河上のラリアットからストームの垂直落下式ブレーンバスタ-で万事休すと思いきや、すかさず拳剛がストームを丸め込み。3カウントでギリギリ雪辱を果たした拳剛・渡瀬組だったが、圧倒された試合内容に解説の天龍は「ただ勝ち星を拾っただけ」と苦言を呈した。


▽第4試合 タッグマッチ(30分1本勝負)

◯入江茂弘&近野剣心(10分48秒 片エビ固め)佐藤耕平&新井健一郎●
※ビーストボンバー

 前回大会で耕平とのシングルに敗れた近野、次回大阪大会で6人タッグのベルト挑戦が決定している入江。入江にとって前哨戦、耕平へのリベンジを狙う剣心とここで存在感を見せたい一戦。剣心は最初から耕平へ狙いを定め、アラケンのレスリングに苦戦しつつもあくまで耕平へチョップ、キックを仕掛けて「出てこい」と挑み続ける。エルボーで圧倒し、ミドルの重みで剣心を吹っ飛ばす耕平。えぐるようなエルボーでダウンを奪う。

 ローンバトルを強いられた剣心がブレーンバスターで切り返し、入江へタッチ。力を温存していた入江がブラックホールスラム、倒れたアラケンの上へ耕平をパイルドライバー。最後はビーストボンバーでアラケンを葬り、6人タッグ選手権を前に実力をアピールしてみせた。


▽第5試合 シングルマッチ(30分1本勝負)

◯鈴木秀樹(12分36秒 変型STF)河野真幸●

 天龍プロジェクトの門番・河野と鈴木秀樹の対決。河野は6人タッグ王者のベルトを持って入場。日本人大型対決を見届けるべく、シンと静まりかえる新木場、手四つに組んだ2人が力比べ。膝をつかせたのは河野。切り返して河野を倒し足を持った鈴木。インディアンデスロックを仕掛けた鈴木に河野はニーロック。互いの実力を測り合うようなグラウンドの攻防を新木場の観客が固唾を呑んで見守る。

 腕十字を狙う河野、鈴木はクラッチし足を絡め、出方を伺いながらエビ固め。エスケープで逃れ両者が対峙すると場内から拍手。リング中央、鈴木が河野にコブラツイスト。河野はエスケープして逃れるとジャンピングニー。場外戦から河野をリング中央で捕獲してリーガルストレッチ。苦しむ河野が逃れようともがくがロープには届かずタップアウト、鈴木が勝利した。


▽セミファイナル インターナショナルジュニアヘビー級タッグ選手権試合(60分1本勝負)

<挑戦者組>谷嵜なおき&◯児玉裕輔(23分16秒 ジャストフェイスロック)<王者組>佐藤光留&矢野啓太●

※王者組が3回目の防衛に失敗、児玉&谷嵜組が21代王者組となる。

 4月大会でタッグ前王者組を破り、タイトルマッチへとこぎつけた谷嵜&児玉組。3度目の防衛戦に臨む王者組、グラウンドの展開から矢野が児玉を捕獲、サポーターでの顔こすり、チョーク攻撃とレフェリーの隙をついてダメージを与えていく。

 徐々に試合ペースを自分たちのものにしていく王者組。矢野がボディへの打撃、エルボーをカットして肘攻めと、独特の攻撃で谷嵜を翻弄。続いて光留が蹴り連打から延髄、水車落としから腕十字。児玉をファイアーマンズキャリーで担ぎ上げ、谷嵜の上へデスバレー。タッチした矢野が児玉へコブラツイストを仕掛けると、児玉も同じくコブラを狙い、先に極めてみせる。矢野が返してローリングクレイドルからゆりかもめ。カットに入ろうとした谷嵜を光留がアンクル、間一髪で児玉を救助する。

 攻め込まれながらも粘り強くチャンスを狙っていく挑戦者組、児玉がロープの反動を利用したエルボーからDDTで矢野の動きを止める。ダメージを受けた矢野がヘッドバッドを返すも串刺し攻撃をカットされ、地獄の断頭台。マッドスプラッシュからフォールを狙うと、光留がアンクルでこれを制する。

 谷嵜がカサノヴァでカット、児玉のブレーンバスターからクロスフェイスに矢野が捕まる。谷嵜は右ストレートで光留の救助を防ぐ。リング中央、矢野が無念のギブアップ、谷やんコダやん組が第21代王者となった。

 ベルトを失い、倒れたままの矢野。起こした光留を矢野が突き飛ばし、不穏な空気が漂う。新王者が花道で勝ち名乗りを上げる中、光留・矢野は別々にリングを降りた。


▽メインイベント インターナショナルジュニアヘビー級選手権試合(60分1本勝負)

◯<王者>TORU(15分57秒 片エビ固め)<挑戦者>仁木琢郎●
※ドロップキック。第23代王者が2回目の防衛に成功。

 TORUの王者としての実力が試される一戦。これまでタッグでもシングルでも未対戦でタイトルマッチという状況下、勢いで攻め込む仁木をいなして場外戦へ持ち込んだTORU、新木場の床にボディスラム。大きなダメージを受けた仁木をTORUがリングですかさず押さえ込むがカウント2。ならばと逆エビでダメージを与えていく。

 仁木はランニングエルボーから場外プランチャと食らいつくが、TORUは随所で切り返し、決定的なダメージを与えさせない。仁木がハリケーンドライバーからマッドスプラッシュ。カウントを返されて2発目を放つが、TORUがかわして自爆となる。

 15分を経過しダメージの大きい両者、TORUがターンバックルブレーンバスターから張り手。粘る仁木を振り切るようにTORUがドロップキックからドラゴンスープレックス。さらにとどめのドロップキックを放って勝利した。

 IJシングル王者としての意地を見せ、勝利したTORUは「拳剛からIJとって、4月に渡瀬相手に防衛して、やっと今日東京でタイトルマッチできてホンマに嬉しいです。ただね、勘違いしてほしくない。このIJのベルトは誰でも挑戦していいわけじゃない。このベルトを取ったら天龍プロジェクトの顔として、フラッグシップチャンピオンとして、この団体を背負っていく覚悟のあるやつだったら挑戦を受けます。今後の防衛、ご期待ください」と、今後も王者として挑戦を受ける構えを見せた。