試合結果

2021.10.28

10月26日試合結果&リポート

10月26日試合結果&リポート

 天龍プロジェクト『SURVIVE THE REVOLUTION VOL.11』

10月26日 東京・新木場1st RING 

早や11回目を迎えた天龍プロジェクト『SURVIVE THE REVOLUTION』は、第22代IJ王者・拳剛が何の前哨戦もないまま難敵・佐藤光留の挑戦を受ける異例のタイトルマッチが実現。互いに秘術を尽くした激闘は20分を越え、佐藤の鋭い打撃、関節技地獄に耐え抜いた拳剛がフロッグスプラッシュからの垂直落下式ブレーンバスターで逆転勝利しV2に成功した。また、執拗な挑発の末、佐藤耕平との一騎打ちを実現させたTORUは、右足集中攻撃で耕平を悶絶させたものの、最後は耕平の裏必殺技・三角絞めに失神負け。試合前には11月14~15日に新木場1st RINGで開催される16選手参加による2DAYトーナメント『龍魂杯』出場の8選手(新井健一郎、拳剛、河野真幸、LEONA、矢野啓太、佐藤耕平、SUSHI、TORU)が先行発表された。なお残りの8選手は後日発表される――。
第1試合(タッグマッチ・30分1本勝負)
河野真幸、〇LEONA vs 入江忠弘、渡瀬瑞基●

【15分44秒 バックドロップを切り返して ⇒ 片エビ固め】
前大会(9月29日)で待望の天プロにおける自力初白星を奪ったLEONAと、初参戦の渡瀬瑞基が冒頭から喧嘩腰で対峙。3年前でDNAのリングで遭遇した両者の遺恨は生き続けていた。
ベテランの河野と、渡瀬を巧みにコントロールする入江は喧嘩腰のLEONAと渡瀬を自由に戦わせつつ、お互いに戦局を読んでタッグマッチの体裁を整えつつ試合は進行。渡瀬の放った大回転トペに面喰ったLEONAだが、冷静さは失わず入江に対してもエルボー弾連打で河野にタッチ。河野は必殺のジャンピングニーで入江と渡瀬を蹴散らした。
渡瀬が繰り出したディック・マードックの必殺技「子牛の焼き印押し」を被弾したLEONAだが、河野の好アシストを受けてドラゴンスクリュー→足4の字固めのフルコースで渡瀬を捕獲。止まらずに動き回る入江にカットされ、ギブアップ勝利は逃したが、エルボー合戦からフォームの美しい渡瀬のドロップキックが顔面に命中するも、渡瀬のバックドロップを空中で切り返して押さえ込み3カウント奪取。終了ゴング後もLEONAと渡瀬の乱闘は止まらなかった。
    
  

【河野真幸&LEONAコメント】

LEONA 勝ったんだよ。最後、レフェリーから勝ち名乗り受けたの誰だ?
オレだ。(渡瀬とは)3年前、DNAのリングで出会って、その時もやり合って、そしてまた、今日出会ってやり合う。
今日も最後勝ったのはオレ。それ以上でも以下でもない。(最後は喧嘩腰だったが?)当たり前です。ああやって突っかかってくる。
それを返さないなんて…レスラーとして当たり前のことをしただけ。この天龍プロジェクトで、まさか出会うとは。でも、結果は前回と一緒、オレが勝った。それだけ。
河野 前回、(LEONAが)天龍プロジェクトで初めて(自力で)勝ち星取ったんで、今回はもう後半、勢いに乗っているLEONA君に、そのまま任せました。
オレはあえて入江を止めることに専念して、(援軍もなく)途中、結構つらかったとも思うんだけど、最後しっかり勝って終わったんで、良かった。また、組んでやりましょう。
LEONA 徹底的に勝ちます!

【入江茂弘&渡瀬瑞基コメント】

渡瀬 すみませんでした。でも、負けてないよ。
見れば分かると思うけど、一切負けてないから。負けてない。
3年前のことも試合になったらそんなの関係ない。今のLEONAと向き合って、オレは絶対に負けてないと思ったから。またやりたいし、オレも絶対に勝ちたい。
入江 こいつ(渡瀬)、安定した所から飛び出して、今いろんなことに挑戦しているんですよ。
まだまだ、つまづくわけにはいかないんで、LEONA、一番最初にお前が倒す目標として、これからこいつが挑戦していく。
安定を捨てて、こいつは挑戦していく。自分の力でな。
渡瀬 もちろん、入江さんという強いパートナーがいて、頼るところもあるかも知れないけど、でも、自分の力で外に飛び出そうと思ったから。やりますよ、これから。
第2試合(タッグマッチ・30分1本勝負)
新井健一郎、〇レイパロマ vs SUSHI●、翔太

【13分28秒 逆さ押さえ込み】
前大会でIJタッグ王座から転落した名タッグ「ハッとしてgood(新井&翔太)」が、早くも分断されて対戦する非情のマッチメイク。翔太はSUSHIパートナーに、新井は腰クネ&尻出しパフォーマンスで早くも異様な存在感を放つレイパロマをパートナーに対峙する。
以心伝心だった新井と翔太だけに、戦っていても手の内は知り尽くしている。そのため、握手と見せかけての目潰し攻撃を同時に放ち、2人同時にもん絶するなど珍場面が連発…。
勝敗の分水嶺となったのは、レイパロマの尻出しだった。監獄固めでSUSHIを捕獲しつつ、目前で腰クネポーズをするなど、精神的に優位に立ったレイパロマは、タイツが脱げ、赤いTバック姿になっても、タイツを戻すことなくそのまま戦い続け、対戦相手、パートナーの新井、そして観客席にも不快な電波を発信しつつ試合をリードしてしまう。
機転では右に出るものがいない翔太がシューズ廃棄も覚悟で、レイパロマの尻中央めがけてピンポイントのトラースキック。アトミックドロップで勝負をかけたが、レイパロマは痛みに飛び跳ねつつも新井との連係プレーで、そのままSUSHIを逆さ押さえ込みに捕えて3カウント奪取。まさかの天プロ初勝利を飾ってしまった。
    

【SUSHI&翔太コメント】

翔太 Oh!シット。ホワット・ア・アスホールだ。お前ら見たか?生中継がアスホール……ブラックホールだよ。
丸見えだったじゃねえか、パロマおい? 放送事故だ、おい。
SUSHI 何考えてんだ?おい。
翔太 SUSHIさん、今度ボクらにリベンジするチャンスがあったらね、あいつのブラックホールにね、マグロ突っ込んで、ケツを鉄火巻にしてやるからな。
SUSHI それはちょっと…。(寿司を)冒涜すんなよ。でも、カウント2やろ? このままじゃ終わらないからな。負けっ放しばっかやんけ。そんなん関係あるか! 天龍プロジェクトには、これからも出たるからな。

【新井健一郎&レイパロマ コメント】

レイパロマ アラケンさん、アラケンさんよ。オレはよ、結果残したぞ。
天龍プロジェクト2戦目だけどよ。おい、おい、みんな聞いてるかおい。オレはな、ただのケツだけの男じゃねえぞ。お前ら全員、オレのブラックホールで吸い込んでやるからな。
新井 あんたのことは信用してないけどな。
プロレス界で唯一、ただ一人、沢田研二の大ファンはオレだけだと思っていたけど、あんたはあのテーマ曲(沢田研二の『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』)。
あんたもジュリーファンか? ならばジュリーのことは何でも分かってるな? 
沢田研二が作曲したヒット曲の中で、一番売れた曲はなんだ? 1秒で答えてくれよ。
レイパロマ 『いとしのエリー』だ、この野郎! 
新井 『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』だ、バカ野郎。巻きが入ってるから、ジュリーのことはまたレクチャーしてやる。また遊んでやるよ。
第3試合(タッグマッチ・30分1本勝負)
〇矢野啓太、仁木琢郎 vs 本田竜輝、塚本竜馬●    【11分3秒 ラッソ・フロム・バハ・カリフォルニア】
IJタッグ王者となった矢野啓太(パートナーは佐藤光留)が全日本プロレスと2AWの若手選手に混じっての異色タッグ戦。矢野が2AWの新鋭・仁木琢郎とタッグを組み、全日本プロレスから参戦の常連・本田竜輝は、7月22日に全日本の後楽園ホール大会でデビューしたばかりの塚本竜馬を従えての出陣だ。
これまで天プロマットでは試合前の練習や、セコンド業務でおなじみだった塚本は、天プロ初陣に豆タンクのような体躯ととも矢野と仁木に突進。若手選手の小気味の良い動きに一瞬面食った様子の矢野だったが、一本背負いからの徹底した左腕殺しに終始して塚本の動きをストップさせ、本田の勢いには背中を引っ掻くフェイントで対処。
仁木が縦回転のスイング式DDTの後、本田とエルボーを打ち合う中、再び矢野と塚本の対戦となり、パワーみなぎる塚本が逆エビ固めに捕えるも、矢野は藤原組長ばりの切り返し技で逆転。スクールボーイで押さえ込みつつ、ハネのける塚本の全身にからみつく複合技「ラッソ・フロム・バハ・カリフォルニア」でギブアップ勝ち。若手選手に混じりつつも相変わらずの異能ぶりを発揮した。
    

【矢野啓太&仁木琢郎 コメント】

矢野 (最後の技は?)「ラッソ・フロム・バハ・カリフォルニア」。若い彼らに囲まれて、勢いがあって、ボクも頑張って、勢い出して行ったんですけど、怖いですね。
年取るのはみんなお互い様だから…以上、ノーコメント!
仁木 前回、初めて出してもらって。今日はね、勝ってやろうという気持ちでした。オレが直接取ったワケじゃないんで、次はオレが必ず3つ取ります。この2AW背負ってきてますから。次は必ず勝ちます!

【本田竜輝&塚本竜馬 コメント】

本田 塚本と組んで戦ったんですけど、このような結果になってしまいました。
全日本プロレスはデカさ、力ではどこにも負けないと思うんで、次はもっと経験を活かして戦いたいです。ありがとうございました。
塚本 練習やセコンドには呼んでいただいたりしていたんですけど、今日はやっと天龍さんの前で、天龍プロジェクトのお客さんの前で、試合ができたっていうのは嬉しい。
全日本でもまだまだ駈け出したばっかりなんで、まずは自分の中で「自力で1勝」ってのを目標に掲げています。
リングに関係なく、まずは自力で1勝あげたい。天龍プロジェクトのリングであろうが、全日本プロレスのリングであろうと、変わらず全力で試合するだけです。
第4試合(タッグマッチ・30分1本勝負)
〇マンモス佐々木、進祐哉 vs 神谷英慶、吉田和正●    【10分47秒 ラクダ固め】
大日本プロレス(神谷&吉田)とFREEDOMS(マンモス&進)の対抗戦。意外や初タッグとなるマンモスと進だったが、息もピッタリに大日本の若手・吉田を狙い撃ちにする。
マンモスは前大会で両者リングアウトとなった神谷を挑発すべく、神谷の目前で吉田に馬乗りとなり顔面パンチでいたぶる非情の攻撃。ヒザへのドロップキックなど要所要所で進が巨漢2人の暴走をコントロールしつつ試合をコントロールするも、マンモスと神谷の暴走は止まらない。
騒々しいうめき声と感情ムキ出しの吉田の突進を、余裕で受け止めていたマンモスだったが、何度目かのチャレンジを経て吉田にリフトされ、ブレーンバスターで叩きつけられたことで表情が一変。コーナーポストに立つ進をファンタスティックフリップで吉田に叩きつける合体プレーから、吉田に豪快なラリアートを見舞い、えげつない角度のキャメルクラッチ(ラクダ固め)で吉田を力づくで絞り上げてギブアップを奪った。
    

【マンモス佐々木&進祐哉 コメント】

マンモス 若手なんか連れてきて(大日本は)なめてんのか?と思ったら、あのガキ(吉田)、ブレーンバスターで見事にぶっこ抜きやがった。
ビックリした。凄いなやっぱ。大日本はいろんな奴がおんな。今日は初タッグやったもんな。
 そうですね。以前、天龍さんの引退ロードで、1度だけタッグを組ませていただいたんですけど、その時に、「俺が合図を出したら行くぞ」と言われて、ファンタスティックフリップを初の連係で決めたことがあるんですよ。それをちょっと思い出して、試合前にちょっと、チャンスがあればと言ってたんで。
(マンモスとは)8年ぐらい一緒の団体(FREEDOMS)なんで、初タッグでもその辺の呼吸はバッチリだったかと。
マンモス 巡業とか行ったら一緒に寝てるもんな(笑)
 はい???。ええええ(笑)。その辺のチームワークは問題ないんで。

【神谷英慶&吉田和正 コメント】

神谷 今日は負けてしまいましたけど、ただこいつ(吉田)がデビューしてどれぐらいだっけ?
吉田 やっと半年ぐらいです。
神谷 まだ半年なんで、これからもっともっと今、伸びる時期なんで、次やったら、どうなるか分からないですよ。これだけは言っておきます。なあ、吉田、そうだよな?
吉田 はい。ここで一つ、お願いがあります。次回大会(11月14日)、出場させてください。お願いします!
神谷 もっともっと戦いたいですし、まだまだやり足りないんで。もっともっと激しい戦い、見せていきたいんで。
大日本プロレス、天龍プロジェクト、ゴーゴーゴーだぜ!それだけです。
セミファイナル(45分1本勝負)
〇佐藤耕平 vs TORU●    【13分17秒 三角絞め ⇒ レフェリーストップ】
夏にTORUが喧嘩を売り始め、ついに実現した一騎打ち。集団戦の乱闘劇に埋没してしまいがちなタッグ戦とは違い、一対一で対峙した耕平は凄まじい圧とともにTORUの前に立ちはだかる。片足タックルを見舞っても微動だにせず仁王立ちのままTORUを見下すなど、まず恐怖心でTORU制圧にかかった。
耕平は足払いと右ローキックを混ぜ合わせた攻撃で、早くもTORUの動きを止める。蹴りの鈍い音とともに足を引きずり出したTORUは、起死回生で飛び道具に勝機を見出した。
耕平のリーチ内に入らず、距離をキープしたまま耕平の右ヒザにドロップキック。倒れる右ヒザを痛めつけては、耕平が立ち上がるとまた距離を置き、右ヒザへのドロップキック発射を繰り返してダメージを蓄積。エプロン段差を利用して、右足を掴んでのレッグブリーカー、ドラゴンスクリューからの足4の字固めと右ヒザ1点集中のヒット&アウェイに、それまで余裕だった耕平の表情が今度は歪み出した。
ロープにもたれて右ヒザを押さえる耕平の延髄にヒザを落としたTORUだったが、ついに怒りと焦りの耕平に捕獲され、ファルコンアローで叩きつけられる。自らも立ち上がれない耕平は、そのまま三角絞めでTORUの頸動脈を絞り上げる。瞬時に意識に失ったTORUの姿に、吉野レフェリーが慌てて試合をストップ。耕平の勝利が告げられた。
朦朧としたまま意識を回復しつつあるTORUに歩み寄った耕平は、自ら握手を求めて退場した。
    
  

【佐藤耕平コメント】

喧嘩売ってくるくらいだから、(TORUには)調子乗んなこの野郎っていうのは常にあるんですけど、今日は初めてTORUが怖いな…って途中で思っちゃいました。
あの、なりふり構わずに勝ちに来る姿勢に、ちょっとビビっちゃいました。
(フィニッシュの三角絞めは)やっぱり自分の師匠(故橋本真也さん)の必殺技でしたから。
正直、この右足の状態だと、パイルドライバーもジャーマンも出したところでフォールは奪えないと思い、とっさに出ました。
もう、ここで極めないと、負けるかも…っていうのがあったんでね。久々に出ちゃいましたね。
(自分から握手を求めたのは?)フリーになって以来、いろんな団体の若い選手とかと戦うようになった中で、やっぱりTORUにはちょっとビビッたところがあったんで、そこはやっぱり認めざるを得ない。
来月は龍魂杯でしたっけ? 奴(TORU)も必ず死に物狂いで来るでしょうし、どっかで当たるんであれば、キッチリと結果とともに、今日の借りと、今日味わった何倍、何十倍の怖さを教えてやろうかなと思います。
※TORUはコメントできず
メインイベント(IJ選手権試合・60分1本勝負)
〇<王者>拳剛 vs 佐藤光留●<挑戦者>    【21分21秒 垂直落下式ブレーンバスター ⇒ 片エビ固め】  ※第22代王者・拳剛が2度目の防衛に成功
佐藤光留による突然の挑戦表明で決定したIJ選手権は、タイトル戦に向けた前哨戦も舌戦もないままゴングを迎える異色の展開。両者が握手して試合スタートしたものの、開始30秒が過ぎてもコーナーから微動だにせず睨み合う。
王者の拳剛は、寝技巧者と定評のある光留の前で、モハメド・アリ戦のアントニオ猪木が如く、自らゴロリと寝転び挑発することで、ようやく攻防がスタート。光留のミドルキック連打、ハリ手に苦しんだ拳剛だったが、ケンカキックで光留を場外に叩き出すと大回転トペで景気づけ。その後も立ち技、寝技、場外戦と一進一退の攻防が続いた。
スキを見せたら最後、瞬時に逆十字固め、ワキ固めと光留の関節技で捕えられ、至近距離に入ればミドルキックの乱れ打ちを喰らった拳剛は、ギリギリのタイミングでギブアップを回避しつつ反撃のチャンスを伺い続ける。
15分過ぎ。逆十字固めで左腕を破壊されかけた拳剛は、もはやギブアップの意思表示をしかけていたが、何度も身体を揺らしたことでロープに脱出成功。光留はなおも仁王立ちでエルボー、髪をワシ掴みにしての頭突きを叩き込み一気呵成に勝負をかける。
薄れゆく意識の中で拳剛は、光留の蹴り足をキャッチしてのラリアート、スタンド式の裸絞めで光留の動きを止めつつ、後ずさりしつつリング中央へと移動。落ちかけた光留をマットに叩きつけてフロッグスプラッシュ、間髪入れずに垂直落下式ブレーンバスターで叩きつけて3カウント。21分21秒の激闘に終止符が打たれた。
激闘の代償は深く、試合終了ゴングが鳴らされても勝者も敗者も大の字のまま。嶋田紋奈代表から手渡された勝利者トロフィーを杖上がりに立ち上がり、ようやく勝ち名乗りをあげた拳剛だったが、すぐにまた崩れ落ち、倒れたまま光留とノーサイドの握手を交わしていた。
    
  

【拳剛コメント】

あの佐藤光留に勝ったんやで。こんな信じられへんことあるか? マジで頭回らへんけど、一つだけ言えることは、こんなプロレスがオレはずっとやりたかったんや。
これがオレが求めていたプロレスっすよ。マジで。
新人時代にですね、何か自分が思い描いていたプロレス界とは違うなって、よくプロレスがわからん時期があったんですけど、そんな時にですね、佐藤光留選手が週プロモバイルで、ずっとコラムやってたんですよね。そのコラムの言葉がメチャクチャ刺さって、「ああ、オレ、自信もってやっていったらええんや」って、本気で気づかせてくれて。
だから前回、オレに「ウソ」って言ったけど、(佐藤光留を)尊敬しているのはマジです。光留さん、あなたのおかげで救われたレスラーがここにいますよとマジで伝えたいです。
それだけです。
あとのことはもう分からへん。
でも、今日もしっかり生き切りました。ありがとうございました。
来月の龍魂杯も当たり前に優勝したるわ。佐藤光留を倒したオレやで。
ヘビーもジュニアも関係ないって。ヘビーだろうがジュニアだろうが、オレの持ってるもんぶつけるだけですよ。それで壊れたって。どうでもええよ。そんなの関係あるか!

【佐藤光留コメント】

何十年、どこの団体で、どこの国で、どんなプロレスやっても、負けるってのは悔しいですね。
そのプロレスの価値観ってのは、それこそボクが見てる頃と、やってる頃と、やり始めた頃と、今とじゃ違うんでしょうが、唯一変わらないのは、やっている人間が負けたら悔しいってことじゃないかな? これは途中(の内容)が良かったら、なお悔しいです。
ベルトへの挑戦表明は「IJ」って言葉に、引き寄せられたんじゃなくて、やっぱり天龍プロジェクトの拳剛が持っているベルトっていう引力でしたね。
ただその引力は、やってるボクはもちろんですけど、持ってるチャンピオンも相当なモンだったなと今思う。
どこの団体に出てもボクはそうですけど、天龍プロジェクトに出ていたら、より一層ですよ。ナニクソってのがなくなったら、天龍プロジェクトじゃないでしょ? 
負けは認めますよ。あっち(拳剛)が勝ったのは認めますよ。でも完全降伏じゃない。
それがボクのプロレスですから。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
負けたのには理由があるんですよ。練習が足んないんですよ。
来月の龍魂杯? 次のことは明日考えます。

【天龍の眼】

引退の時にも言ったけど、腹いっぱいですよ。
本当にいい試合が多かったです。ありがとう、選手のみなさん。拳剛おめでとう。素晴らしい試合だったよ。
オレがどうたらこうたらと講釈つけるよりも、今日来ていただいたお客さんが一番ご承知かと思います。
お金払って観るエンターテインメントとして「面白かったでしょ?」って胸張って言えますよ。
メインは最初、始まるまでは、スタイルが違うから、どうからんでいくのかな?って心配だった。
だけど思い知らされたのは佐藤光留って人の、いろんなプロレスの引き出しの多さかな? 最後のあのロープに逃げた逆十字固め技が勝負の分かれ目だった。
あれで光留君がガッといったら拳剛(の腕は)は折れてた。あれを拳剛が逃げ切り、また新たなエネルギーが出て……。
全然タイプが違う2人だけど、妙にスウィングして面白いプロレスを見せてもらったなという感じですよ。
拳剛がこれからプロレスやっていくうえで、間違いなくターニングポイントになった試合でしょう。
だって、今も試合後のインタビュー受けて、長々と自慢話してたじゃない?(笑)。
これはもう気持ちが高揚して、口が先に出ちゃうってヤツですよ。
いや、でもいい試合だった。面白かったよ。
来月は2日連続興行(11月14~15日)で16選手参加の「龍魂杯」だってね。
もう全部店に出して大セールする感じだよ。10何戦かやって、今やっと、お客さんが「面白い」って食いつき始めてくれたから、もう逃さないようにね(笑)。
バーゲンでお客さんをグッと掴みますよ。