試合結果

2022.04.19

2022年4月19日 新木場大会

2022年4月19日 新木場大会

天龍プロジェクト
『WRESTLE AND ROMANCE』
シリーズ開幕戦

2022年4月19日(火)/東京・新木場1stRING 


旗揚げ記念日である4・19、新生・天龍プロジェクトの新シリーズ『WRESTLE AND ROMANCE』が開幕した。インターナショナルジュニアヘビー級シングル・インターナショナルジュニアタッグのベルトを中心としたマット界のくせ者揃いの激戦、それに負けじと一撃必殺の攻撃を際立たせるヘビー戦士たちの熱戦が繰り広げられた前シリーズ『SURVIVE THE REVOLUTION』が前回大会で幕を下ろし、新シリーズは天龍源一郎がかつて旗揚げした団体名を冠しスタート。今大会にはヘビー級戦士が多数出陣し、定期参戦選手たちとしのぎを削りあう“戦いと冒険”が繰り広げられた。

メインでは前シリーズを盛り上げたIJタッグ王者の佐藤光留&矢野啓太組が鈴木秀樹、ハートリー・ジャクソンを迎撃。光留がミドルキックから腕攻め、矢野も得意技のゆりかもめで勝機を狙いにいくが、最後は鈴木がヨーロピアン・レッグロールクラッチで勝利した。 敗戦スタートの新シリーズとなったが、光留は「何かを覆したりとか、うまくいかないことがロマンの始まり」と表現。王者組以外も定期参戦選手が新しい風を受けて苦戦、乱戦が展開される波乱の新章開幕となった。

代表挨拶
「本日も天龍プロジェクトへご来場、配信のご視聴誠にありがとうございます。プロレスラーの強さも、はかなさもどうか見守ってください。新シリーズも戦いと冒険をはじめていきたいと思います。からっと激しい、腹いっぱいのプロレスをどうぞお楽しみください」


▼第1試合/シングルマッチ(10分1本勝負)

◯河野真幸(6分3秒 腕ひしぎ十字固め)馬場拓海●

ZERO1所属の馬場が河野に挑む第一試合。迎え撃つ河野は世界6人タッグ王者のベルトを手に入場。
先に手を伸ばすが馬場はキックで挨拶。ソバットから体当たりも、河野は効いていないとばかりに手で払う。ならばと馬場はドロップキック、場外に河野を蹴落としてダイブ。続いてエルボーからボディスラムを狙うが、河野は逆に馬場へボディスラム2発。リングのきしむ音が場内に響く。
膝蹴りで馬場を宙に浮かせた河野、馬場は反撃のミドル。コーナーからミサイルキックでカウントを狙うが河野は返す。
エルボー合戦でふらつく馬場へブレーンバスター。カウントを返すと河野はリング中央で腕十字に極めて勝利、馬場は悔しさをにじませながら退場した。

▼第2試合/シングルマッチ(10分1本勝負)

◯佐藤耕平(8分1秒 パイルドライバー→片エビ固め)近野剣心●

ダブプロレスより初参戦の近野と前シリーズより定期参戦の佐藤耕平。ジュニア勢の活躍が著しい天プロにおいて、期待の大型日本人級対決となる一戦。
リング中央で組み合うと佐藤がロープへ押し込んでクリーンブレイク。近野が蹴り込むと、耕平はキックにはキックで出方を伺いながら、実力を見せつけるように重みある張り手を返す。近野の胸板が赤く腫れ上がり、額を付き合わせてのにらみ合いから、耕平が強烈なエルボーでダウンを奪う。
場内の拍手に背中を押されるように立ち上がり、エルボーを返す近野だったが、耕平のエルボーで再びダウン。ダウンカウントの途中で耕平が近野を引き起こしブレーンバスターの体勢へ。
ここで近野が意地を見せ、逆に耕平を投げ返してミドルキック。渾身の一撃を放つ近野に、さらに打ってこいとばかりに睨む耕平。
近野がミドル連打、PKも耕平はカウント2。エルボー3発から重いミドルを放つと、最後は滞空時間の長いパイルドライバーで突き刺してとどめを刺した。
佐藤が力の差を見せつける展開だったが、最後は「またやろう」と言わんばかりに指を1本立てて近野と握手し、健闘をたたえる。試合後は赤くなった胸板を指さしながら「いいね。楽しくなっちゃった」とニヤリ。「楽しみが増えた」と、初参戦の近野との今後に期待を寄せた。

▼第3試合/3WAYマッチ(30分1本勝負)

◯レイパロマ(10分19秒 ヒップドロップ→体固め)怨霊●
※もう一人は、SUSHI

新シリーズの異次元3WAYマッチ。ボディチェック中から場内に舞い散る怨霊のエクトプラズムに苦戦するパロマとSUSHI。咳き込むSUSHIにレフェリーが厳しく「時勢を考えろ」と注意。
パロマがなんとか場外へ怨霊を追い出し、SUSHI対パロマで向き合い、SUSHIが場内を煽って回転寿司を放っていく。
パロマにダメージを与えるも回りすぎたSUSHIが自らもダメージ大、ふらふらになりながらカバーへ入るがこれはカウント2。
意外にも真面目なパロマとSUSHIの展開からパロマが監獄固めを極め、怨霊がこっそりカバーし漁夫の利を狙うが、これはパロマが封じる。
反撃を狙ったパロマがコルバダを放つとコスチュームがずり下がり、危ない場面に。リングへ上がろうとしたSUSHIをドロップキックでたたき落とすが、露出したTバックに怨霊の手がかかり大ピンチに。生配信中に危険な瞬間がおとずれようとしたその時、怨霊の顔面へパロマの生尻が直撃。放送の品位がギリギリ守られると同時に3カウントとなった。

▼第4試合/6 人タッグマッチ(30分1本勝負)

◯TORU&LEONA&仁木琢郎(11分45秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)入江茂弘&椎葉おうじ●&北村彰基

4月の大阪大会でIJシングルのベルト初防衛に成功したTORU。定期参戦のLEONA、仁木とともに新シリーズでも天龍プロジェクトのリングで存在感をさらに見せつけていきたいところ。
先発はLEONAと2代目流星番長を襲名したZERO1所属の北村が対峙。
LEONAの腕を取った北村、LEONAも返しグラウンドの展開から仁木と椎葉へ。仁木がショルダータックルで仁木を倒せば、椎葉は仁木の突進を両足ジャンプで交わし、コーナーに引き込んで入江を呼び込む。
入江のパワーと椎葉のキックで痛めつけられる仁木がボディスラムを返し、帰還すると王者・TORUがリングへ。
コーナーに控える入江、北村に一撃を放ち、椎葉へフロントスープレックス。続いてLEONAが串刺しドロップキック、リング中央で椎葉を捕獲しSTFを極めると、すかさず仁木とTORUがアシストする。
椎葉がロープブレイクで脱出、ミサイルキックで反撃する。傷みをこらえるLEONA、蹴り足を取りドラゴンスクリューで反撃。
椎葉がスピードを活かした攻撃で存在感を見せる中、負けじと打点の高さを見せつけるように仁木がドロップキック、見せ場をよこせとばかりに入江がリングへ。負けじと椎葉もドロップキック、延髄切り。椎葉がTORUをリング中央へ倒し、フットスタンプを狙うも避けられて逆にピンチ。ブレーンバスターを丸め込みでカウント狙いもTORUは肩を上げる。北村が流星キック、入江がキャノンボールとたたみかけるが、最後はTORUが垂直落下式ブレーンバスターで椎葉から勝利。王者の意地を見せた。

▼第5試合/タッグマッチ(30分1本勝負)

河上隆一&◯クワイエット・ストーム(14分5秒 53cm腕ラリアット→片エビ固め)拳剛●&渡瀬瑞基

GLEAT所属の河上が天龍プロジェクトへ久々の参戦。初参戦のクワイエット・ストームとバルクオーケストラとして天龍プロジェクトに殴り込みをかける。
胸筋を見せつけながら登場した河上、久々の天龍プロジェクトの場内を睨むようにじっくりと見回す。

河上の視線は拳剛へ。その視線に応えるかのように拳剛がリングへ残り、河上と対峙。ロックアップもすぐに離れてにらみ合う両者。再び組み合う。 タッチからリングイン、ストームに張り手をくらった渡瀬、組み合ってボディスラムを仕掛けるも上がらず。レフェリーの視線をそらして2人がかりであげようとするが河上が阻止。 逆にバルクオーケストラ勢に捕まり、まとめてボディプレスをくらってしまう。

場外乱闘も河上の攻撃は拳剛へ。ストームは渡瀬を捕獲し、河上に捕獲された拳剛と衝突。誰だ、と渡瀬をあおる河上に渡瀬は「渡瀬瑞基だ!」と自己紹介しながら張り手。河上も「河上隆一だよ」と張り手を返す。
コーナーで捕まり2人から張り手をくらう渡瀬に拳剛はゲキ。河上は「突っ立ってるだけか」と挑発する。反撃の渡瀬がエルボーから強烈な張り手。タッチを受けた拳剛が河上へ低空ドロップキック。力比べで競り勝った拳剛がブレーンバスターから押さえ込むがカウント2。

河上を踏み台にストームへ一撃し追撃を狙う渡瀬、先ほどの続きとばかりにエルボー連打で河上をコーナーに追い込み、カーフブランディングを狙うがこれはデッドリードライブで返される。渡瀬のリングシューズがコーナーに引っかかり、苦しい表情。

バルクオーケストラのパワー殺法の前に苦戦の拳剛と渡瀬。渡瀬が場外へ追いやられる中、河上とストームがサンドイッチ攻撃で拳剛を追い込み、ストームがブレーンバスター。50cm腕ラリアットで一回転させて天龍プロジェクト初参戦・初勝利を手にした。

悔しさをにじませて河上を見据える渡瀬、河上は張り手。一触即発の両者をレフェリーが分ける。
たっぷりと存在感を見せた河上は去り際に解説席の天龍を一瞥し「見たか」とばかりに指さしてアピールし、花道でマッスルポーズを決めて退場した。

▼セミファイナル/タッグマッチ(45分1本勝負)

谷嵜なおき&◯児玉裕輔(16分45秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め)新井健一郎●&翔太

ダブプロレスの谷嵜・児玉組がセミファイナルでIJタッグ前王者の新井・翔太組と対戦。この日がデビュー記念日でもある翔太が先発、対峙した児玉の手をひねりあげる。児玉も翔太をアームホイップで投げ、自軍コーナーへ引き込むと谷嵜へタッチ。
新井は紳士的に握手の手を差し出すもやはりこれは罠。谷嵜へキックをたたき込んでレフェリーの隙を突いてのグーパンチ。翔太も参加し谷嵜を痛めつけていく。
反撃に出た児玉は先ほどのお返しとばかりに、執拗に翔太の腕を攻めていく。
タッチワークでピンチを切り抜けた前王者組、レフェリーのブラインドをついた老獪な攻撃でじわじわと谷嵜組を追い込む。児玉が気合いで突き破ろうとするが、すかさず翔太がタッチを妨害、スイングDDTで児玉の脳天をリングに突き刺す。
10分経過、ようやくタッチに成功した谷嵜が怒りをこめて翔太・新井を2人まとめてラリアット。攻め込むも谷嵜の隙を突いて新井が丸め込み3連発。返されるとタッチワークで翻弄し、試合ペースを握らせない。いらついたように谷嵜が怒りの膝。児玉がダイビングボディアタックからフェースロック。

15分経過、諦めず再び新井が握手を求めるが、児玉は応じたと見せかけて担ぎ上げ、デスバレーの体勢に持ち込む。すかさず新井が切り返して丸め込むもカウント2。引かない谷嵜・児玉組と自軍ペースに持ち込もうとする新井・翔太組のせめぎ合いの中、最後は谷嵜のインプラントから児玉がマッドスプラッシュを決め、勝利した。

勝った谷嵜はマイクを要求。しかし児玉がアピールし話し出す。「谷やんが何を言おうとしているか僕にはわかります。谷やんコダやんタッグ、めちゃくちゃよくないですか。谷やん、この言葉が言いたいんじゃないかと、このタッグでIJタッグベルトに挑戦したいって、そう言いたいんですよね。実績はあると思います、勢いもあると思います。僕たちでタッグのベルト挑戦します、よろしくお願いします」。前王者を倒した谷嵜・児玉組が、堂々とタッグベルト挑戦をアピールした。

▼メインイベント/タッグマッチ(60分1本勝負)

◯鈴木秀樹&ハートリー・ジャクソン(16分22秒 ヨーロピアンクラッチ)佐藤光留&矢野啓太●

元WWEの鈴木秀樹が20年11月以来、2度目の天龍プロジェクト参戦。対戦相手は前シリーズでシングル対決、タッグ結成からのベルト奪取と天龍プロジェクトのリングで存在感を見せつけた佐藤光留と矢野啓太。大阪大会でパンクラスの船木・冨家組を相手に防衛を果たした王者組が、メインで大型ヘビー級戦士2人を迎え撃つ。

ジャクソンと矢野が先発。矢野の左腕を取ったジャクソン、佐藤に見せつけるかのように腕折り攻撃。矢野もジャクソンの腕を極め、実力を確かめ合うと佐藤へタッチ。佐藤の出方を伺っていた鈴木がリングインすると、矢野が交代。リング中央、矢野をフルネルソンで捕獲した鈴木、逃れた矢野が佐藤へタッチ。
両者譲らぬグラウンドの展開、鈴木が三角締めから両足で佐藤の頭を挟み、これでもかと締め付ける。苦しみながらも頭を抜いた佐藤が反撃のアンクルホールドで鈴木の足を極めていく。鈴木が強引に佐藤ごとコーナーへ戻りタッチ。
ジャクソンに首を極められると佐藤もエスケープ。ならばとジャクソンは強烈なチョップで佐藤を一撃。佐藤は「全然痛くありません!」と返すも、言葉の途中でさらに追撃。佐藤の反撃には「キモチイイ!」と涼しい顔をしていたジャクソンだったが、追撃に若干顔をしかめ、佐藤をコーナーへ放り投げてエルボー。粘って下からジャクソンの腕を取った佐藤。クラッチを切ろうとする佐藤をジャクソンは力任せに放り投げる。

佐藤が立ち上がれずダウンカウント。鈴木の間接地獄からのジャクソンのパワー攻撃にダメージを隠せない佐藤だったが、人間風車の体勢からこらえて切り返し、逆に鈴木を投げてピンチを抜け出す。

矢野は鈴木の首に狙いを定めて猛追も、鈴木はジャクソンと2人がかりでブレーンバスター。抑えるもすかさず佐藤が救助、隙を突いて矢野がゆりかもめで鈴木を捕獲。ジャクソンが関節を極める佐藤を抱え上げてカットに入る。粘り強くネックロックを仕掛けて勝ちを狙いにいく矢野だったが、最後は鈴木のレッグロールクラッチが勝利を決めた。

敗北を受けた王者組はロープにもたれ、天を仰ぐが、悔しさを振り切るように一礼。鈴木・ジャクソンも応えて握手し、両者ともに健闘を称え合った。

全選手、解説席の天龍源一郎がリングへ。各選手のカラーと意地が際立った全7試合について「自信を持って皆さんに提供できたと思っています」とマイクで振り返り「これからもプロレスを日々、愛してください」と挨拶。恒例の「エイ、エイ、オー!」3連発で大会をしめた。