試合結果

2022.07.19

2022年7月16日 新木場大会

2022年7月16日 新木場大会

天龍プロジェクト
『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズ第4戦

WRESTLE AND ROMANCE Vol.4

2022年7月16日(土)/東京・新木場1stRING


 7月16日、東京・新木場1stリングで天龍プロジェクトが『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズ第4戦を開催。セミファイナルはインターナショナルジュニア(以下IJ)のベルトを保持するパンクラスMISSON・佐藤光留がガンバレプロレス・渡瀬瑞樹に敗れる波乱の結末となった。

 光留と渡瀬は前回の7.3王子大会で激突、15分フルタイムドロー。引き分けという結末の“続き”を求める渡瀬は今回、かつて佐藤光留とタッグを組んでタッグベルトを保持していた矢野啓太をパートナーに、前王者・TORUと現王者・佐藤光留の天プロ最強タッグチームと対決。渡瀬は光留の鋭いミドルキックやTORUの場外攻撃を真正面からくらいながら、執念で前へ出る。25分過ぎ、攻撃を受けきった上で最後にエルボーの連打からバックドロップ。矢野がTORUをロープごと絡めて抑える中、ぐらついた光留をさらにバックドロップ。押さえ込んで3カウントを奪った。

 試合後の渡瀬は「チャンピオンに勝ったぞ。俺に挑戦させろ! 以上!」と咆吼。矢野は「今日の勝利は何かが起こる前兆」と言い残した。

 続いて行われたメインイベントでは、大日本プロレスの吉田和正が奮闘。爪痕を残そうと食い下がる吉田を佐藤耕平&河野のWAR6人タッグマッチ王者、IJタッグ王者の児玉裕輔から代わる代わる痛めつける。河野のジャンピングニーからチョークスラムを返し、なおも戦おうとする吉田だったが、最後は逆片エビで無念のギブアップ負け。敗れたが吉田の奮闘を天龍源一郎も「よく頑張ったよ」と評価した。

 しかし悔しい表情の吉田はここで終わらず、マイクを持ってベルト挑戦をアピール。割って入った新井健一郎が「あんちゃん、お前誰だ」といなして一蹴しようとするが、吉田はくじけず「お前らベテランだろ。輝かしい未来があるこの俺の、挑戦のひとつくらい受けられないのか」と、ビッグマウスを放って観客の気持ちを惹きつけると、パートナーを大日本から連れてくると宣言。初のメイン登場という快挙から一気にベルト挑戦を取り付けさせてしまった。

 セミ、メインと渡瀬、吉田といった他団体の若手が“覚醒”した今回の新木場大会。覚醒し変貌を見せた若手だけにとどまらず、シリーズ第3戦でIJタッグ王者から勝利を奪ったレイ・パロマがこの日も勝利し、次回大会でのIJタッグ挑戦を決定づけた。「男としてのキャリアは(王者組の谷嵜・児玉より)俺たちのほうが上だ」と豪語するパロマの奮闘を受け、タッグ王座挑戦が決まったパートナーの新井健一郎は、覚醒続きの今大会の結果を受けて次回大会のIJタッグ挑戦、そしてWAR6人タッグ防衛戦を行うことが事実上、決定。「次の8月大会は新井健一郎祭りにしてやる」と、50歳のベテランファイターが真夏の狂い咲きを宣言した。


【嶋田紋奈代表挨拶・本戦では今大会より不織布マスクをしての声出し応援が解禁】

「皆様こんばんは。本日もご来場、ご視聴誠にありがとうございます。本日より本戦も声援が解禁になります。昨年の4月に再始動してから、たくさんの規制をお願いし、お客様ご自身もご不安が多くある中、観戦リスク、対策など経験のないことばかり起きました。

 いつかあの日のことを笑いあえる日がくると約束したことのひとつが、花開けたのではないかと感じております。これからも引き続き対策を行っていきますが、天プロを見よう、と思ってくださった皆様に一番最初にお約束したかったのが、声援の解禁です。ここまで信じて耐えて見守っていただいて、本当にありがとうございます。

 コロナの猛威はまだ続いております。状況がいつ巻き戻されてしまうかが分かりません。信頼できる選手たちと、温かいファンの方々に支えてくださっている天龍プロジェクトはとても強いといま、勝手に思っています。この一時だけ、それだけでも余計なことを考えずに心の底から選手を応援しプロレスを楽しんでいただきたい、そう思っています。

 ファンの皆様の声援がどれほどの力をくださるのか、プロレスラーの家族がおりますので知っています。プロレスがどれほど人に希望を与えるのか、プロレスが大好きなので知っているつもりです。

 再始動しなければいけなかった大きな意義もあります。まだそこへは到達できていません。だからこそ今日皆様の声援を後押しに頑張り続けたいと思っております。未来はいまともに戦う選手たちと必ず到達できると信じています。本当の意味で始まりを告げる今日、ファンの皆様の大きな声援で、これまでのリングで命を燃やしつづけた選手たちへ一層の応援をお願いいたします。」

欠場の拳剛選手がリングへ。

「新木場ーー!お前らお待ちかね天龍プロジェクト新木場大会が今日もやってきたぜ!久しく声を出してへんから、今日はリミットをひとつはずしにきました。聞こえへんぞーーー! そのテンションで第一試合からメインイベントまで思い切り楽しんでいってくれ兄弟!」


▽第1試合 シングルマッチ(15分1本勝負)

◯田村男児(7分37秒 片エビ固め)井上凌●
 ※デスバレーボム

 第一試合には全日本プロレスの田村男児、井上凌が参戦。初参戦、今年1月デビューの19歳・井上が雄叫びとともに先にリングイン。天龍プロジェクトに全日本プロレスの選手が上がっていることを「信じられないですよ。感慨深い」と語る天龍源一郎。

 組み合いから至近距離でドロップキックを放った井上。エルボー連打で負けん気を見せるが、田村もまた先輩として負けじとフライングメイヤーから背中へのドロップキック、キャメルクラッチ。痛みにうめく井上がエスケープ、逃れるとバックエルボーから逆水平。モンキーフリップからカウントを迫り、ハーフハッチと基本に忠実なレスリングテクニックを見せた上でミサイルキック。田村はエルボーからキチンシンク、バックエルボーからラリアット。井上の奮闘を引き出し、受けきった上で最後はデスバレーボムで勝利した。

田村「久しぶりの天龍プロジェクト参戦しました。今回は同じ全日本の井上凌選手とシングルをやって、全日本プロレスというものを見せられたらいいなと思っていました。今日はそういう思いで試合をしました。僕自身もこれから再スタートという感じでまた一からやっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。ありがとうございました」


▽第2試合 3WAYマッチ(30分1本勝負)

◯井上雅央(11分17秒 胴締めスリーパー)SUSHI●
 ※もう1人は菊タロー

 もはやおなじみとなった第二試合のSUSHI・菊タローワールドに井上雅央が参戦。マサオワールドと呼ばれる独特の世界観が天プロのリングでどんな化学反応を見せるのか。

 SUSHIが「ヘイラッシャイ!」を行っている間に組み合った井上・菊タロー。無視するなと言わんばかりに菊タローが取ったの井上のリストをSUSHIが横取り。向き合った井上とSUSHIが投げからヘッドシザーズと実力を確かめ合った瞬間、菊タローがカンチョー攻撃で強引に割って入る。

 ダメージを負った井上を菊タロー、SUSHIが2人がかりで攻撃。ダブルの股割き攻撃。どっちがフォールを取るのかの攻防から菊タローがうっかり倒れ込んでの急所攻撃と、天龍プロジェクト第二試合の洗礼を浴びせていく。反撃の井上は串刺し攻撃を相打ちに追い込み、連続ラリアットをSUSHIに浴びせて観客をあおる。最後は菊タローはロープに足をひっかけて転倒するのをよそに、井上が胴締めスリーパーホールドでSUSHIを捉えてギブアップを奪った。

SUSHI「ブワッ。クソー、また負けた。井上雅央ーーー!、くそ、なんや新しい選手新しい選手、やばいな俺も崖っぷちやないか。年中崖っぷち、綱渡りや。井上雅央、菊タロー、パロマ。おまえらこのままでいかんからな、てやんでい、ちくしょう悔しい」

菊タロー「とにかくね、井上雅央。アイツのさばらしたらね、本当に居場所なくなるんで。次はやってやりますよ。やりますよ。アーイネーバーギブアップ(ガッツポーズ)」


▽第3試合 タッグマッチ(30分1本勝負)

新井健一郎&◯レイパロマ(11分42秒 エビ固め)仁木琢郎&椎葉おうじ●
 ※フランケンシュタイナー

 前回大会で共闘を宣言した椎葉・仁木の“レッドブルー”、そして現IJ王者からまさかの勝利を得たパロマ・アラケンタッグ“ジュリーズ”の対決。タッグのベルト奪取を狙う両チーム。この日のアラケンは入場曲もジュリーの「そのキスが欲しい」に変えて登場したノリノリの中年タッグ“ジュリーズ”。

 先発は仁木とアラケン。スピードで攻め込む仁木をアラケンがいなし、リストを取ってパロマにつなぐとスピーディに尻を押しつけていく。早いタッチワークでレッドブルー軍に隙を与えない。仁木はパロマにタックルして吹っ飛ばし、椎葉へタッチ。アラケンは握手と見せかけてサミング。椎葉はアラケンの突進をジャンプでかわし、ガットショット。さらにリング中央でサマーソルトドロップと続け、試合ペースを取り戻していく。

 連携でアラケンにダメージを与え、もだえ苦しみ頭に血が上るアラケン。椎葉のバックエルボーでフラフラになったアラケンがサミング。ヘッドロックでさらにアラケンの頭がさらに赤くなる。ここで奮闘したのがパロマ。パロマボンバーからラリアットで仁木、椎葉を吹っ飛ばすとリング中央で恍惚を極めていく。腰をくねらせたところですかさず椎葉は首固めから延髄切り。続いて仁木が飛び込んでドロップキック。ロープワークの交錯からタックルで両者ダメージ、飛び込んだパロマのアームホイップで尻が露出する。

 タイツの中に椎葉の顔を沈めようとするが、これは仁木が阻止。デッドリードライブからバックドロップで万事休すと思われたが、最後はお尻を露出させたままパロマが椎葉をフランケンシュタイナー。3カウント奪取に会場からはどよめきが起きた。

 興奮状態のパロマは「おいアラケンさん、勝っちまったよ! 前回俺たちIJタッグに勝った気がするんだよなぁ、そして今日あいつらにも勝ったんだよ、ということは、俺たちが挑戦したっていいんじゃねぇか。代表!どうだ!」と嶋田代表にIJタッグ挑戦を直訴。代表、解説の天龍両名が了承すると「OK出たぞ!俺たちジュリーズがベルトを巻く姿を見に来てくれ!」と、お尻を出した状態のまま花道を退場した。

アラケン「ハハハハハ。おう、おじさん、あの天龍源一郎に認められただけのことはあるな。なんせ広島からわざわざ交通費もかかるのに、いつのまにか藤波辰爾の息子のLEONAを追い払って定期参戦選手だ。大丈夫かLEONA、どこで何やってるんだ」

パロマ「LEONAの話はこれくらいにしておいて、さっき代表にも言ったけど、俺たちIJタッグのベルト挑戦しますから、俺たちおっさんだけど、あいつらは若いけど、何より男としてのキャリアが全然違うから」

アラケン「あと最後、丸め込まれて、結構微妙なところまで映ってたぞ。今のカメラ性能いいしよ。俺はセーブじゃなくてケツを隠さなきゃいけないかと思った。来月、カード組まなかったら俺たちは会場に来ないぞ。あんたと組む限り、その日の気分でジュリーの好きな曲をかけられる。俺たち新しい風を吹かすぞ」

パロマ「ありがとう、また来週。来週じゃないか」

椎葉「何がおきた。なんか、思い出したくない。何だあれ、気持ち悪い…」

仁木「レッドブルー、所詮負けちゃったけど、ちょっと今日は相手が特殊でしたね。ちょっといつもと違いました。まぁ次。いまリングでアピールしてるけど、俺らだってそのタッグのベルト見ていくから。勝利の先にあのベルトがあると思って、絶対勝ちます」

椎葉「次こそ勝って。ベルト挑戦の翼を授かります」


▽第4試合 シングルマッチ(30分1本勝負)

◯谷嵜なおき(12分35秒 片エビ固め)岩崎孝樹●
 ※インプラントボム

 7.3の王子大会に初参戦したガンバレプロレス・岩崎。2度目の参戦で対峙するのはIJタッグ現王者のダブプロレス・谷嵜なおき。

 岩崎が重いミドルキックで谷嵜の体を宙に浮かせ、高く持ち上げてのバックドロップ。さらにヒザ蹴りからバックエルボー。倒れたところへカバーに入るが、谷嵜もすぐさま返す。次いでスリーパーホールド。畳みかける岩崎の攻撃に、谷嵜の動きが止まる。負けじとランニングエルボーから持ち上げようとするも上がらず。踏ん張る岩崎を強引にボディスラム、串刺しのヒザからカサノヴァを狙うが、岩崎はとらえてバックブリーカー。劣勢の谷嵜の顔面を、フロントキックからダブルアームスープレックスが襲いかかる。

 ロープに飛ぶと見せかけてのヒザ、エルボー。追走してのニーリフト。谷嵜のパンチに岩崎がスープレックス、後頭部へ谷嵜のヒザ。両者ダウンでカウント8、立ち上がって動いた岩崎をロープへ封じ込め、地獄の断頭台。カサノヴァに岩崎のバックドロップ。カウントを返した谷嵜へ岩崎の張り手。ローキックからミドル。

 谷嵜はパンチ、ヒザ。バズソーキック連打からカバー。返されるとインプラントボムをたたき込み、片エビ固めで消耗戦を制し、IJタッグ王者としての意地を見せた。

谷嵜「いや、一ヶ月ぶりの天龍プロジェクト、あいつ、岩崎、あいつ何級だ。体感圧迫120はあるぞ。ここから食い込んでくるのかこないのか、あいつ次第かもしれないけど。正直、気にはなるけど、俺もコダやんもそこに気を向けてる場合じゃないから。IJタッグ王者としてのふるまい、防衛戦を。まぁあいつが強力なパートナーを連れてきたら危険かなと感じた。くう、ちきしょう。勝った!」

岩崎「最後いかれたけど、この天龍プロジェクトのリングはやりがいのある選手いっぱいいて、本当これからも出たいです。今体重95(キロ)ないくらいで、ジュニアなんで。シングルもタッグも負けたけどやっていきたいと思います。また出たいです。以上です」


▽セミファイナル タッグマッチ(45分1本勝負)

矢野啓太&◯渡瀬瑞基(27分22秒 片エビ固め)佐藤光留●&TORU
 ※バックドロップ

 セミファイナルにはIJ王者の佐藤光留、前王者のTORUがタッグで登場。対戦相手は龍魂三銃士のひとり、また光留のパートナーとしてタッグのベルトを巻いていた矢野啓太、そして王子大会で光留を相手に15分ドローに持ち込んだガンバレプロレス・渡瀬瑞樹。IJのベルトを手にした王者・光留の入場を三者が見つめる。

 先発は渡瀬、TORU。渡瀬の目は対戦相手のTORUではなく光留を見据え殴りかかる。TORUはこっちを見ろとばかりに渡瀬を引き倒し、ヒザで押さえつける。立ち上がりロックアップから押し込んだ渡瀬、TORUの頭をはたいてお返し。TORUもはたき返してエルボー。

 タッチをうけて対峙した渡瀬と光留。先に張り手を放ったのは渡瀬。観客が固唾を呑んで見守る中、先にアンクルを極めたのは渡瀬。光留は回転し右足を攻め、左腕を極め返す。極められながらも渡瀬は強引に光留をボディスラム。サッカーボールキックで追撃する渡瀬、光留が放った張り手がクリーンヒット。光留はさらにフライングメイヤーからサッカーボールキック。次いでTORUがエプロンから渡瀬を落として椅子攻撃、さらに観客の傘を使って一撃。効いていないという表情の渡瀬の顔面へTORUが低空ドロップキック。

 代わる代わる攻められ、徐々に動きが弱まっていく渡瀬。エルボーから光留の後ろに張り付き、ジャーマンを放ってコーナーへ。タッチを受けて飛び込んだ矢野は光留を踏み台にTORUへ一撃。リングではリバースバイパーホールドからスタンディングクラッチ。変型裏4の字と唐突な足間地獄を展開する。

 タッチを受けたTORUがフットスタンプで矢野を踏み潰し、エルボー連打からドラゴンスクリュー、フットスタンプ。タッチを受けて渡瀬はカーフブランディング、TORUはフロントキックにローリングエルボー。矢野が飛び込んで救助しようとするも、TORUが冷静に相打ちに追い込む。乱戦から向き合った渡瀬と光留。ミドルを受けてふらつきながらも渡瀬はにらみ返し、エルボー合戦。張り手から殴りかかる渡瀬。割って入ったTORUへ頭突き。意識が危ういのか、渡瀬はパートナーの矢野へもエルボー、さらに矢野を踏み台にしてジャンプしエルボー。光留は冷静に渡瀬をとらえて河津落とし、ランニングローで倒れたところへ腕十字、足をとらえてアンクルホールド。バックドロップから再びアンクル。渡瀬はタップするかと思いきや持ち直し、光留の体を掴んで強引に後方へ。矢野がロープごとTORUをからめて捉える。このチャンスに渡瀬はエルボー、光留もかわさず全て受ける。ランニングエルボー、エルボー連打からヘッドバッド、続けて急角度のバックドロップ。渡瀬が光留をフォールし、IJ王者から勝利した。

 四者ともダメージで倒れる中、渡瀬は立ち上がると佐藤光留の耳元で「勝ったぞ」と雄叫びをあげた。

矢野「(渡瀬の肩を叩いて)勝利! たまたまとか、まぐれとか、世の中言うかもしれないけど。僕はプロフェッショナル。今日の勝利は何かが起こる前兆。僕は偶然を信じない。以上、ノーコメント」

渡瀬「ベルトが、手に入るなら足、腕、くれてやるよ。そのくらいの覚悟で戦ってんだよこっちはよ。チャンピオンに勝ったぞ。俺に挑戦させろ!以上!」

TORU「おう、渡瀬。なんか試合してみたら、なんか聞いてたのと違うな、元気ないなと思ったけど。やるやんけ。でも、今日おまえが勝ったの、第24代王者・佐藤光留や。俺は第23代王者・TORUや。俺は負けてへんぞ。お前が次挑戦するのかどうか知らないけど、お前が取ろうが、佐藤光留が守ろうが、俺はいつでも待ってるからな」

※佐藤光留はノーコメント


▽メインイベント 6人タッグマッチ(60分1本勝負)

佐藤耕平&◯河野真幸&児玉裕輔(18分14秒 逆片エビ固め)入江茂弘&近野剣心&吉田和正●

 メインには大日本プロレスの吉田和正が登場。これまで第一試合からコツコツと実績を積み重ねてきた吉田。パートナーとして佐藤耕平へ闘志を燃やす近野剣心、ストロングハーツの入江茂弘がつく。相手はWAR6人タッグ王者の天プロ二大巨頭・耕平&河野と、レイパロマの尻攻撃を浴びて以来若干精彩を欠く児玉。近野が先発、耕平を指名したものの出てきたのは児玉。耕平を睨みつつも児玉をロープへ押し込んだ近野、児玉は近野をすり抜けてかわし腕を取る。近野は取り返してヘッドロックで動きを止め、吉田がタッチ。エルボーの痛みに声をあげる児玉、さりげなくサミングで隙を突いて耕平を呼び込む。吉田はロープ際で体を入れ替えチョップ、エルボー。耕平は涼しい顔で腹へ一撃し河野へ。吉田はエルボーから張り手。ブレーンバスターを狙うが河野は持ち上がらず、投げ返されて逆にエルボーでダウン。

 児玉のアトミコ、河野のストンピング、ボディスラム。耕平のエルボーでゆっくり倒れた吉田。表情の止まった吉田を合体ブレーンバスター。フォールは返すも、圧倒的な攻めから抜け出せない吉田。パイルドライバーを狙う耕平に抵抗、エルボーを返して体当たり。続いて入った河野へ場外トペ。さらに児玉へブラックホールスラムと、劣勢の流れを一気に変えていく。耕平へテディベアからブレーンバスターもカウントは入らず、耕平はカウンターのニー。

 児玉は入江の喉元を掴むチョーク攻撃、突進をかわしてハイキック。コーナーからのフットスタンプはかわされ、ロープに走った児玉へ入江が横からのタックル。剣心がスリングブレイドからミドル。児玉はハンドスプリングエルボーから河野へタッチ。剣心は河野をブレーンバスター、吉田を呼び込む。吉田は河野へバックエルボー、ギロチンドロップ。河野のココナツクラッシュからすぐさま耕平、児玉が飛び込み乱戦へ。

 リング中央、河野が吉田へドラゴンスクリューから足4の字。入江がフライングエルボーでカット、串刺しエルボーからキャノンボール。吉田が反撃のスパインバスター。フォールに入るがカットされ、エルボー、チョップ、フロントキックで追撃。しかし河野がジャンピングニー。チョークスラム。これも返す意地をみせた吉田へネックハンキングボム。執念で肩をあげた吉田へ逆片エビ。ロープに迫った吉田を耕平が頭突きで押し返し、無念のギブアップ。解説の天龍は「よく頑張ったよ」と吉田を称えた。

 健闘をたたえて差し伸べた耕平の右手を払いのけた吉田。マイクを持つと「いてぇ。きつい。でも、まだだ。俺はまだできる。確かに今日はタップで負けたけど、それは腰が痛かったからだ。心が折れたわけじゃない」と語り出し「負けた人間がこんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、そんなの自分には関係ない。その6人タッグのベルトに挑戦させてください」とアピール。

 ここで新井健一郎がリングへ登場、マイクを持つ。

アラケン「いや、ちょっと、最初に聞いていいか。おまえは誰だ。どこの誰だ」

吉田「自己紹介させていただきます。大日本プロレスの吉田和正と申します」

アラケン「あんちゃん。あれか。来月、挑戦したい? えー、誠に申し訳ございません、この私、来月、さっき決まった通りパロマと組んで児玉くん、谷やんと持ってるそのベルトに挑戦、天龍さんにも代表にも、もうOKもらってるんでやるんですよ。というわけであんちゃん、来月はキャンセル。だってそうでしょうお客さん」

吉田「どうしたら受けてくれるんですか」

アラケン「試合そこで見てたけどさ、お客さんの気持ちは掴んだのは認めるよ、今の時代のプロレスはマイクアピールでもお客さんの心を掴んでなんぼ。君にそれができるのか。正座して聞いてあげましょう」

吉田「ごちゃごちゃうるせえよ。ベテランだろ。輝かしい未来があるこの俺の挑戦のひとつくらい受けられないのか!」

アラケン「(観客の拍手を聞いて)お客さんこれ捕まれちゃった? おい、大日本プロレスで何かベルト取ったことあんのか? あと2人いるのか?」

吉田「実績はない。でも、これから作るんだ。大日本にはすげえやついっぱいいる、そのベルトに似合うくらいのやつ2人連れてくるから、挑戦受けろ」

2つのタイトルマッチという状況に、解説の天龍は「やれよ、やれやれ」と煽る。

アラケン「パートナー、ちゃんとしたパートナー連れてこれるのか。8月の天龍プロジェクト新木場大会は、間違いなく新井健一郎祭りになるぞ。こないだ50歳になったばかりの俺が、来月は狂い咲いてやるぞ、おい。君が最後、締めなさい」

吉田「じゃあもう決定ってことでいいんだな。皆さん、大日本からめちゃくちゃ強いの連れてきます。8月の新木場大会、俺があのベルトを巻く姿を見に来てください。お願いします」

ここでアラケンがドロップキック。「誰がてめえなんかに締めさせるか。とっととシャワーあびておうちに帰りなさい。俺が一番おいしいところを取るんだ、バカヤロー!」

 天龍源一郎がリングへ。豪雨災害に見舞いの言葉を述べた後「タイトルマッチも何にもない試合でしたが、天龍源一郎が自慢できるくらい面白い試合だったと思います。皆さんどうですか」と観客に問いかける。観客は拍手で応え、天龍の呼びかけで会場一丸となって「エイエイオー」で大会を締めた。

児玉「試合後、アラケン選手出てきてどうなったんですか?このタッグベルトの防衛戦が決まったってことですか?これは決まり」

谷嵜「決まりでいいのかな」

児玉「それで、6人タッグもやる?」

谷嵜「やるのかな。吉田がパートナー2人、連れてこれればやる」

児玉「お客さん、ノリにのってましたね。おいしいところ、アラケン、吉田2人に持って行かれて。僕らも前回、アラケン、パロマ組の卑劣な攻撃にやられて。僕、眼球にお尻の、スイートスポットというか、異次元の入り口というか、それが入りまして、今ちょっと乱視気味なんです。許せないんで。行きましょう」

谷嵜「ヤバいね。バチっと受けよう。アラケン祭りは阻止しよう。谷やんコダやん祭りに変えよう」

児玉「塗り替えましょう。お願いします」

アラケン「来月、防衛回数プラス1、確定。誰がいますよ。いないでしょう、大日本で何の実績もないアイツについてくるやつなんて誰もいない」

耕平「誰がくるかですよね」

河野「新井さん、ジュニアタッグもですか? テーマ曲も変わってましたけど」

アラケン「なんぼでもやってやりますよ。レイパロマと僕のタッグも風が吹いてますから。あれはもう、ジュリーズですから。また来月、違うジュリーの曲で入りますんで。吉田、どうせお前ツイッターやってるだろ。さっきの発言すいませんって、今夜中につぶやいとけよ。それがなかったら受けてやるぞ」

河野「2人連れてこなかったら、僕ら休みですか?」

アラケン「だったら1対3。出る杭は打ちましょう。どうせアイツはここまでのヤツですよ」

耕平「それはそれで大人げなくないですか?まぁあの、自分で言ってたんで。とりあえず期待しときますか」

アラケン「もうなんぼでもやりますよ。1分1秒でも長くリング上にいたいんで」

吉田「今日は負けてしまいましたけども、次で挑戦が決まりました。次で勝ちます。勝ってベルトを大日本に持ち帰りたいと思います。いやぁ、緊張した。マイクを持つのもはじめてで、ベルトに挑戦することもこれではじめてになります。でも、ここぞという時に僕はやる男です。皆さん、期待しておいてください。ありがとうございました」


天龍源一郎・総括「なんかこう、ニュースを見たら、あちこちの会場でいろんな団体が興行をやっているらしいというのは見たけど。俺は自分で言うのもあれだけど、ベストバウトを何回も取った天龍源一郎から見て、今日の大会は最高だね。選手の諸君にも胸を張っていてほしいと思います。

(選手たちの自己主張)それはそれでね、主催者としては嬉しい限りですよ。自分を出してきて、方向性が見えてきたというのは大事なことだからね。吉田選手がはじめてのメインで気後れするかなと思ったら、頑張ってやってて、最後に意地を見せた主張に俺はびっくりしたね。だからこうなると、まぁ彼が連れてくるっていった、誰が来るのかっていうところに興味がある。

(8月17日の大会でパートナーを)連れてこなかったらタイトルもなしということね。まぁ、どんな人間を連れてくるのかっていう楽しみと、誰が来るのかっていう気持ちが半々ってところかな。タッグもいろんな主張が一気に燃えたっていう感じがしないでもない。(ジュリーズ)悪くないんじゃない?(笑)。シングル戦線も選手が底上げできているというのが嬉しいよ。結果的には戦いは全試合観てて、退屈はしなかったよ。全部面白かったのはすごいよ。次回大会のタイトルマッチのラインナップが楽しみだよ。(ハードルが上がっていくように感じるが)それはね、お客さんがこれだけ声援がいやおうなしに、選手もテンションがあがって、もちろんフロントもね、おいしい大会、面白い大会にってしよういうのは当然。興行会社としては当たり前のこと。なんら恥じることはないよ。新木場だけど試合をやったってことに、胸を張っていい。あの拍手が物語っているよ。次回もというより、天プロに期待をしてくれってやつですよ。天プロに出てる選手に期待して、見守ってくれって気持ちでいっぱいですよ」

本大会も引き続き、現在負傷欠場中の大谷晋二郎選手への募金活動をおこないました。
みなさまの熱いご支援、誠にありがとうございました!