試合結果

2022.10.11

2022年10月9日 後楽園ホール大会

2022年10月9日 後楽園ホール大会

天龍プロジェクト

『革命龍魂』

2022年10月9日(日)/東京・後楽園ホール


オープニング第1試合第2試合第3試合第4試合第5試合 セ ミ メインエンディング


 場内スクリーンに、今年6月に亡くなった嶋田まき代さんの書による「革命龍魂」の文字が映し出され、天龍プロジェクト・嶋田紋奈代表がリングに登場し挨拶。マスク着用で声援解禁となる旨を説明した後、今大会への来場がかなわなかった天龍源一郎からのビデオメッセージが紹介された。「環軸椎亜脱臼に伴う脊髄症・脊髄管狭窄症」の手術を受けた天龍は入院してリハビリに励んでおり、ビデオメッセージには首に固定器具を付けた姿で登場した。

天龍「本来でしたら私もそちらに行く予定でしたが、(首が)こういう状態ですので、今は治療に専念して、いつかまたリングに立てる日を心待ちに自分も頑張っています。今日は、天プロ久しぶりの後楽園ホールで、ラインナップも面白く、エキサイティングなカードを組めたと自信を持っています。そして、この大会は亡くなった嶋田まき代が一番、期待していた選手たちとか、仲間と作り上げた大会だと思っています。まき代も多分、あっちから見て喜んでいると思うし、今日出てくれている選手は目一杯の試合を、天プロらしい試合をお客さんに魅せてくれると信じています。だから皆さん! プロレスを精一杯楽しんでいってください。よろしく!」

 紋奈代表は「ちょっと見た目が痛々しいなと思われた方もいると思うんですけど、本当に本人は頑張っています。映像にもありました通り、このリングに戻る日を目指して力強く過ごしております。そしてこのようなリスクを伴うプロレスを、誰よりも誇りに思っております。なので、このような姿をお見せすることを決意した天龍の気持ちを、皆様はネガティブに捕らえずに、前向きに進む力にしていければと思いますので、よろしくお願いいたします」と、今もなお、生き様を見せ続ける天龍からのメッセージを受けてマイク。「今日も腹いっぱいのプロレスをお楽しみください!」の宣言で大会スタートとなった。

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▽第1試合・タッグマッチ(15分1本勝負)

○那須晃太郎&近野剣心(11分18秒 膝十字固め)椎葉おうじ&吉田和正●

 那須とおうじが先発、探り合いからショルダータックルで椎葉を倒す那須、椎葉は那須の突進をジャンプでかわしドロップキック。両軍交代、吉田と剣心がエルボーの打ち合い。剣心が蹴りを連打、吉田を打ち倒すと那須へ。那須も蹴りで吉田を追撃すると再度剣心へタッチ。吉田は負けじと剣心へヘッドバッドからエルボー。受けた剣心は表情を変えずコーナーへ叩きつけ、チョップから那須へとつなぐ。

 スムーズなタッチワークを見せる剣心&那須に対し、長く痛めつけられる展開となった吉田だが、ドロップキックで反撃し椎葉を呼び込む。椎葉はスワンダイブ式キックを剣心へ突き刺し、DDTからバズソーキック。一気にカバーを狙うがカウント2。剣心はローリングエルボーからフィッシャーマンズバスターで返し、那須へタッチ。

 椎葉は那須の蹴り足を掴んでドラゴンスクリュー。吉田が飛び込むと剣心に一撃見舞ってから那須へ水車落とし。椎葉を呼び込んで串刺しトレイン攻撃から吉田がスパインバスター。カバーに入るが剣心がカット、追撃を狙うが那須は担ぎ上げられたところから裸絞めへ。逃れた吉田へミドル連打、剣心も飛び込んでランニングローキック。カウントを返しエルボーからのチョップで意地を見せた吉田だったが、那須のヒザ十字に無念のギブアップ。久々の天プロ本戦登場となった那須がオープニングマッチを飾った。

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▽第2試合・4WAYマッチ(15分1本勝負)

○SUSHI(7分48秒 体固め)レイパロマ●
 ※越中のダイビング・ヒップアタックから。残り2人は、越中詩郎菊タロー

 サムライ越中登場の第2試合、裁くのは和田京平レフェリー。声援解禁となった今大会、後楽園ホールに「きょ〜へ〜!」コールが響いた。

 続いて沸き上がった越中コールを打ち消すようにパロマコールを要求するパロマ。怒りの越中とパロマがロックアップ、いきなりパロマを弾き飛ばすとSUSHIと組み合う。その背中から菊タロー、さらにパロマも加わった弱火ストンピングで越中を料理。リング外に追いやると三者が組み合う。チョップ合戦でパロマ・菊タローを相手に消耗しはじめるSUSHI。リングへ戻った越中へ再び、気を遣った感のあるストンピングから3人がかりでフォールも、勝利は譲らぬSUSHIがカット。

 3人がかりで越中を倒したところを、SUSHIがとらえてキャメルクラッチ。すると調子に乗った菊タローが不思議な踊りからヒップアタックを放ち挑発する。

 怒りの越中は串刺し攻撃を切り返すとヒップアタック3連打。場外へ逃れた菊タローにエプロンから尻爆弾をさく裂させる。リング内ではパロマがSUSHIへヘッドシザーズ。ここでまさかのタイツがずれるアクシデント! 気づかないパロマは恍惚をリング中央で極めてみせるが、その顔に越中がヒップアタック。コーナーからのダイビングヒップアタックでとどめを差しに行った越中だが、菊タローがカット。やり合う両者をよそにSUSHIが横取りで3カウント。後楽園で勝利のダンスを披露した。

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▽第3試合・タッグマッチ(15分1本勝負)

○ケンドー・カシン&岩崎孝樹(10分12秒 腕ひしぎ逆十字固め)矢野啓太●&仁木琢郎

 問題児ケンドー・カシンが久々に天龍プロジェクトのリングへ登場。天龍プロジェクトの異端児・矢野との顔合わせに注目が集まる一戦、カシンは胸には嶋田紋奈代表のプリントシールを貼った姿で登場する。

 バトラーツのリングでデビューした時から「ケンドー・カシン選手のような万能な選手になりたい」とコメントしていた矢野。先発で早速、カシンと対峙する。カシンは矢野のトンファーを奪うが、これは和田レフェリーがチェックして没収、セコンドへ。手の取り合いから崩し、足を取ったのは矢野。カシンは顔面をかきむしって呻かせ、回転し逃れる。握手の手を差し伸べた矢野に対し、カシンは和田レフェリーと握手。組み合うと矢野をクロスアームに捉えて極楽固め。矢野も振りほどき逆に固めてみせる。カシンが矢野を投げて振りほどき、両軍タッチ。

 仁木と岩崎が対峙、岩崎がローキック。カシンと矢野の存在感に負けじとばかりにスピード感ある攻防を見せる両者。ドロップキックを打たれた岩崎が自軍へ戻るも、カシンはタッチを拒否。戸惑う岩崎が仁木と組み合い、仁木を連れ帰るとようやくタッチ。場外へ仁木を引き込むと椅子攻撃、休ませずにカンパーナへ。さらにキャメルクラッチから顔面攻撃とカシンワールドを展開する。

 試合権利のないカシンを下がらせた岩崎。矢野は岩崎の腕をひねり、腕殺しからロープを使ったぶら下がり式ゆりかもめ。岩崎はデッドリードライブで矢野を投げ捨て、ロープに走った矢野へキチンシンク。

 カシンがアッパーカットエルボー連打。連続回転からの逆さ押さえ込みはカウント2、返されるとコブラツイスト、逃れようとしたカシンにローリングクレイドル。お互いが得意とする技を出し合う展開の中、カシンは素早く矢野の両足の間へ滑り込むと、急所蹴りから飛びつき腕十字。矢野からギブアップを奪った。

 勝ち名乗りでは和田京平レフェリーの腕を掲げ、天プロのリングで伸び伸びと問題児ぶりを発揮したカシン。最後は本部席の嶋田まき代さんの遺影へ深く一礼した後、花道を退場した。

矢野「どうだったか分からないけど、こんなんで終わりじゃない」
仁木「もちろん、こんなんじゃ終われない。今日こうやって自分の身体で、ケンドー・カシンというプロレスを体感できたんで、次。次こそは、やってやりましょう」
矢野「以上、ノーコメントだ」
仁木「そういうことです」

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▽第4試合・シングルマッチ(15分1本勝負)

△渡瀬瑞基(15分00秒 時間切れ引き分け)飯橋偉進△

 かつてWARに所属していた維新力の息子・飯橋偉進(DRAGON GATE)が天龍プロジェクト初参戦。天プロのリングで着々と力を付ける渡瀬瑞基が迎え撃った。

 慎重な立ち上がりからリストを取った偉進。渡瀬が引かずに取り返す。ヘッドロックからショルダータックルの渡瀬、偉進はドロップキックで場外へ渡瀬を蹴り落としてチョップ。偉進の力量を測るように受け続ける渡瀬。体勢を立て直すと場外で真正面からエルボー。後楽園の場内にゴツンと鈍い音を響かせる。

 エプロンで偉進を寝かせ、顔面を踏みつける渡瀬。カウントを拒否されるとさらに顔面蹴り。コーナーでのエルボーからキックと、厳しい攻撃で偉進を追い込む渡瀬。ボディスラムをこらえた偉進、渡瀬はDDTでマットに突き刺しさらに追い込んでいく。

 序盤の勢いが徐々に衰えていく偉進。渡瀬はリング中央でスリーパー。顔面蹴りからの苦しい攻めをこらえてロープへ逃れた偉進。声援を背に追走してのエルボー、トップロープから渾身のミサイルキック。串刺し攻撃からヒップトスで反撃へ、渡瀬の顔面へエルボー連打。渡瀬はディフェンスせずに受けた上でエルボー、ぐらつかせたところでロープに投げてドロップキック。コーナーから追撃を仕掛けたところで偉進が立ち上がりエルボー、チョップの乱れ打ちからコーナー上で頭突き、雪崩式ブレーンバスターで叩き落とす。

 丸め込みから親譲りの小股式スープレックスを仕掛けるがこれは決まらず。渡瀬が垂直落下式ブレーンバスター、カウントが入らないとみるや逆エビ固め。ギブアップを迫るも偉進が耐えて時間切れ、ドローとなった。

 痛み分けとなった両者、互いに負けていないとばかりににらみ合う。偉進が渡瀬に頭突きを一撃、闘いの続きを観客に予感させてリングを降りた。

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▽第5試合・タッグマッチ(30分1本勝負)

竹田誠志&◯鈴木秀樹(11分28秒 エビ固め)葛西純&田村男児●
 ※ダブルアームスープレックスホールド

 開始のゴング前に葛西が竹田へ突進し、試合スタート。エルボー合戦からキチンシンクを放った竹田が笑顔で大ハサミを取り出すも、あわててレフェリーがチェックし取り上げる。葛西がガットショットからラリアット、さらに竹串を取り出すがこれもレフェリーがこれを奪う。

 PWFルールの要求に両者タッチ。リングへ入った鈴木の手には栓抜き、田村はフォーク。「お前らはせめて普通にやれよ!」とレフェリーが嘆く中、クリーンに握手しリスタート。バックの取り合いから鈴木を徐々に赤コーナーへ引き込み、葛西がリングへ。

 葛西とのグラウンドの攻防から足を取った鈴木。葛西も受けて足関節へ切り返す。田村が入り、鈴木の背後から極めを狙っていくが、鈴木は冷静に腕を取って極め返し、田村を悶絶させる。

 ともに凶器を封印し、肉体を武器にPWFルールに沿った攻防を見せる葛西と竹田。葛西が串刺しヘッドバッドからハーリーレイス。動きを止めてリバースタイガードライバーを狙うが、竹田は阻んでエルボー、葛西も応えてエルボーから頭突き合戦へ。再びリバースタイガードライバーの形に竹田をとらえ、マットに突き刺すと竹田もスピアー。

 鈴木が葛西へニードロップ。葛西がエルボー。鈴木がエルボーを返し、打ち合うと葛西はかち上げ式のエルボーから延髄切り。タッチを受けた田村がフライングショルダー。葛西が鈴木を抑えたところへダイビングボディプレス、レフェリーの隙を突いて田村が鈴木の動きを止め、葛西が竹串攻撃。鈴木の脳天に竹串を突き刺した上でラリアット、田村が竹串付きのデスバレーボム。こらえた鈴木がバックブリーカーから人間風車をさく裂させ、試合を制した。

 まさかの凶器攻撃にいつもの“クール・ビューティ”ぶりを乱した鈴木はフォークと栓抜きを手に葛西へ向かっていくが、竹田がハサミでこれを制する。鈴木の狂気を確認した葛西はシングル戦を希望。鈴木も呼応し、両者シングル対決の可能性が浮上した。

葛西「おいおい、聞いてねーぞ。葛西純と竹田誠志を呼んでおいて、こんな通常ルールなんて用意するんじゃねぇよ。まあいい、最終的にはイケたからよ。にしてもだ、葛西純が竹串を出そうが、竹田誠志がデカいハサミを持ってこようが、一番狂っていたのはハチマン(※WWE時代の鈴木のリングネーム)じゃねぇのか? おもしれぇよハチマンよ、シングルやりてぇな。おい、鈴木秀樹。お前の奥底に眠ってる、サイコパスな人格、どんどん引き出してシングルやってやるよ」

竹田「気持ちいいっすね、こういうの。最高じゃないですか」
鈴木「違う違う、最高なんだけどなんか血が出てたんですよ。なんか入ってました? そんなことより大日本プロレスなんで辞めたんですか? 内容証明ですか?(竹串をくらいましたが)いや竹田誠志がいて相手に葛西純がいたら。自分だってそれよりすごいもん持ってるから、これ見たら竹串可愛いですよ」
竹田「いや、栓抜きの時代ですよ」
鈴木「楽しかったですよ。痛いけど。初タッグ」
竹田「なかなかこういうね、カード組まれないから。天龍プロジェクトならでは」
鈴木「ニュージャージーでタッグを組んで、酒を飲んで酔っ払って、人の興行入って、私はクビになり、今こうなると」
竹田「さすが嶋田代表だよ。いいカード組んでくれたよ」
鈴木「最後やりましたよね」
竹田「あれは挨拶。久しぶりって」
鈴木「(葛西選手が鈴木選手とシングルをやりたいと)シングル? やりたい……大丈夫ですか?」
竹田「大丈夫ですよ。やれますよ。(ハサミを手に)貸しますよ」
鈴木「これだからその、傷害とかじゃないじゃないですか。もっとレベルが違うやつじゃないですか。(シングルは)是非。葛西さんは昔から、竹田さんもそうですけど刺激を受け続けてる存在なので。先輩から言われて断る理由もないので。(ルールは?)そんなことどうでもいいですよ。そういうルールとかいうのは、オールジャパンの奴らが言うんですよ。そういうことは。プロレスやろうぜって知ってますか? わかんないならちょっと教えますよ。プロレスやろうぜ!(竹田とともに退場)」

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▽セミファイナル・タッグマッチ(45分1本勝負)

○ウルティモ・ドラゴン&石井智宏(11分04秒 ラ・マヒストラル)望月成晃&ドン・フジイ●

 かつて天龍源一郎が主宰したWARにゆかりのある選手が集った6人タッグマッチ。特別レフェリーとしてレッドシューズ海野レフェリーが、WARシャツに身を包み試合を裁いた。

 石井と望月が先発、石井のエルボーに望月がミドル。互いの攻撃を読み合う攻防からフジイがリングへ。ぶつかり合いからチョップで意地を張り合う両者。互いをはたき合う音が後楽園に響く。

 ともに引かない打ち合いからショルダータックルで跳ね飛ばしたのは石井。望月がアシストでフジイを自軍に戻し、石井の背中に蹴り、チョップ合戦の続きを仕掛けていく。ソバットからかかと落とし、顔面蹴りも倒れない石井。ブレーンバスターで望月を叩きつけて反撃する。

 ウルティモが登場しフジイへローキックからミドル、バックエルボー。フジイをリング下へ突き落とし、望月をコブラで捕らえると、ここぞとばかりに飛び込んだ石井がフジイへWARスペシャルを決めてみせる。

 エスケープの望月に石井がラリアットから延髄。望月はヒザからのローキック。フジイは逆水平の連打からパワーボムと、天龍殺法で試合を制しにかかる。カウントを返すも劣勢の石井。効いてないと首を振る石井へフジイがラリアット。石井も同じくラリアットで相打ちとなり、両者ダウン。ウルティモと望月が飛び込み、望月のハイキックからフジイがのど輪。石井の頭突き、フジイのケサ斬り。石井のラリアットから最後はウルティモがフジイをラ・マヒストラルで決め、試合を制した。

 試合後、海野レフェリーは嶋田まき代さんの遺影を掲げ、4人で腕を上げて再会マッチを終えた。

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▽メインイベント・6人タッグマッチ(60分1本勝負)

○佐藤光留&佐藤耕平&新井健一郎(20分19秒 腕ひしぎ逆十字固め)河野真幸&谷嵜なおき&児玉裕輔●

 後楽園大会メインは天龍プロジェクトのベルトホルダーが並ぶ6人タッグマッチ。最後にコールされたミスター天龍プロジェクト・佐藤光留が先発、タッグ王者の谷嵜と対峙する。距離を取って見合った後、組み合って光留が倒すも谷嵜はすぐ立ち上がる。ローからタックルを仕掛けた光留。コーナーですぐさま児玉がタッチ、光留も新井にタッチする。

 この日は真っ白のツナギに身を包んだアラケン。手四つから児玉がアラケンの足を取ると、アラケンは三角締めで切り返し児玉を自軍コーナーへ連れて行く。耕平と向き合った児玉、背の違いを確認した後にチョップを放つがすぐさまお返しが飛ぶ。ボディスラムを受けたところで光留に交代、児玉も河野へタッチ。ドラゴンスクリューから足首固め、エスケープを奪ったところで谷嵜、光留の顔面へエルボー。素早くタッチした児玉がサマーソルトドロップ。6選手が入れ替わりながら重い攻撃を見せつけていく。

 代わる代わる攻撃を浴びる形となった王者・光留だったがブレーンバスターで反撃、耕平へタッチ。大型選手同士のエルボー合戦、河野はジャンピングニーから河津落とし。ショルダースルーで切り返した耕平、アラケンへタッチ。タッグ王者同士の対決はアラケンが握手から場外逃亡とはぐらかして翻弄。隙を突いて丸め込みを狙うがこれはカウント2。

 レフェリーへ抗議するアラケンが振り向いたところへジャンピングニー。谷嵜はアラケンの握手の手を叩いて串刺しのヒザ。グロッキー状態のアラケン、死んだふりからのサミング、前方回転エビ。らしさ全開で切り抜けて光留へタッチする。光留のミドル連打に谷嵜がニーリフト。タッチを受けた児玉がドロップキック。光留の蹴り足を掴む児玉を投げると腕十字へ。アラケン、耕平が谷嵜、河野を抑えるが、河野はアラケンを光留の上へ投げ捨ててカット。

 谷嵜がエプロンから光留へキック、児玉と地獄の断頭台。マッドスプラッシュでフォールも耕平がカットしファルコンアロー。河野がシャイニングウィザード、アラケンのスレッジハンマーに谷嵜がラリアット。6人がリング上で倒れ込む。

 試合権利は光留と児玉。座った状態ながらエルボー、張り手。立ち上がるとさらにエルボー。打ってこいと顔を突き出す光留、打ち合いからロープの反動を受けて児玉がエルボー、光留がハイキック。児玉がスプリングエルボーからブレーンバスター、ジャーマンスープレックスホールド。カウントを返した光留がクラッチの腕を取りアームロック。最後は腕十字で児玉からギブアップを奪った。

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 光留はその腰にベルトを巻き、強さを誇示するかのようにガッツポーズ。耕平から渡されたマイクを手にした。

佐藤光留「本日は、後楽園ホール、天龍プロジェクトの後楽園ホール、ご来場ありがとうございます。遠慮せず中に入ってください皆さん。どうしても、天龍プロジェクトに集まってくる人たちはクセが多すぎて、外で待ってる人の方が多いですけど中に入ってください。
今日は、試合ももちろんなんですけど、最近、プロレス界や、世の中を取り巻くものに、なかなか、悲しい思いをさせられてばかりで。今日も本当は、やっぱり、緊張感はあるんですけど、天龍さんの目の前で、これが天龍プロジェクトの、天龍プロジェクトを作り上げてきた、天龍源一郎を見て育ってきたプロレスラーのプロレス見せたかったんですけど。今、天龍さん欠場中ということで、なんとか頑張って届くように、リング上で、この時点では胸いっぱいのプロレス、やり切りました。
でも、でも最近わかったんすよ。天龍さんが言う胸いっぱいのプロレス、腹いっぱいのプロレスって、プロレスラーはすぐ次が欲しいんですよ。お腹が空くんですよ。もっともっと、もっともっと、天龍さんが辞めてくれって言うまで、僕ら、痛みが伝わるプロレスやり続けますんで、必ず待ってますんで、その時は皆さんもう一回、見に来てください。今日勝ちましたけど、負けることもあるし、良い試合だって言われることもあれば、誰もが目をそらして素通りしていくような試合もたくさんしました。でも上手くいくのもプロレス。上手くいかないのもプロレス。生きることは、全部プロレスだと思って、天龍プロジェクトのリング、上がってる選手、プロレス続けていきます。これから先も自分たち、そしてお客さん、プロレス、天龍さん、全てに向けてエールを送る意味で、いつものエイエイオー、後楽園サイズでやりたいと思います。よろしいですか?
何言ってるかよくわかんないって顔してる人もいるんですけど、簡単です。立って、腹の底から“エイエイオー”3回言います。では、ご起立願います。怖い顔してないで、今ノーサイドだから。パロマさんはもうちょっと緊張感持ってもらって。全ての地球、宇宙、俺たちを待っている奴らに届くようにエイエイオー、お願いします。いきますよ! いきます! エイエイオー! エイエイオー! エイエイオー!! ありがとうございました」

 後楽園に「サンダーストーム」が流れ、天龍コールが起きる中で選手たちが拳を突き上げて観客と一緒に“エイエイオー”。最後に残った光留が四方に礼し、リングを後にした。

佐藤光留「普段、天龍プロジェクトに出てる選手、選手っていうか、なんか、仲が良いわけじゃないですけど、同じものをしめてる人たちと、天龍さんに縁のある今日来た人たちね。この勝負ならって思ったんですよね。だからこそメインはあのカードだったし、セミはあのカードだったんで。そこだけですね。ただいつも思うんです。自分で良くやったな、いい試合だったな、勝って良かったなって思うけど、けど決めるのはいつもお客さんで、天龍さんは常に見てる人に自分のプロレスをさらし続けてきたと思ってますから、見た人の感想ですね。それが今日のカードです。 
(最後のエイエイオーは天龍さんに届いたかと)いやー、だからあの、ほんとにあれですけど、痛いっすよ。だから天プロ来るとみんな1.2倍なんですよ。児玉選手の一個一個が今日めちゃめちゃ痛くて、いくぞーって声出したらフラフラって来ちゃって。届いたか届いてないかは声のでかさもそうですけど、やっぱ、試合後のマイクは、なんか耕平さんに渡されたからやったんですけど、やっぱ伝えるのはプロレスなんで。プロレスが7割でマイクが10割、そんなプロレスやったって天龍さんには見透かされますし、天龍さんがわかるって事はお客さんも内心思ってるってことですから。はい。どう感じるか、届いたかどうかは天龍さん、お客さん次第ですね。
(2年ぶりの後楽園大会でしたが、これがゴールではなく)じゃあ何ですか? 天龍さんのプロレスはゴールしたと思ってますか?(これからだと)でしょ? リング立ってないだけで天龍さん戦ってるし。それと一緒です。このベルトの次のチャレンジャーも、今日心のなかで決めてますから。今ここじゃないです、発表は待ってください。でも、OKって言ったら決めてますから、やりますよ。
ゴールはないですよプロレスに。言ったじゃないですか? 上手くいくのもプロレス、上手くいかないのもプロレス、人生もそうでしょ? だから生きてる限りプロレスは続くし、人によっちゃ、死んだ後もプロレス続いてますからね。ちくしょう、負けてらんないですよ。その気持ちは今もありますね。
(天龍さんも闘病していて戻ってくるとおっしゃってたんですけど、そこを守らなきゃいけないという気持ちは)ありますあります。聞かれるのは僕だけど、今日負けた奴も、今日はじめて天龍プロジェクト上がったやつも気持ちは同じだと思いますよ。天龍さん帰ってこなくて良いやってやってる奴はいなくていいですよ。舞台裏で、痛みの伝わる乱闘劇を起こしてやる(笑)。本当に、消してやりますよ」

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