試合結果

2022.11.13

2022年11月12日 新木場大会

2022年11月12日 新木場大会

天龍プロジェクト

第二回龍魂杯 〜トーナメント1回戦〜

2022年11月12日(土)/東京・新木場1stRING



 “龍魂”を背負う者たち16名による最も過酷なシングルトーナメント『龍魂杯』が昨年に続き開催され、連続2度目の出場となる9名、初出場となる7名が新木場に集結した。トーナメントは2DAYSで行われ、1回戦8試合・2回戦4試合は15分1本勝負、準決勝2試合は30分1本勝負。決勝戦は60分1本勝負で行われ、あらゆる引き分けは両者失格となる。

 開始に先駆け、全出場選手がリングに登場。天龍プロジェクトの嶋田紋奈代表が「第二回龍魂杯の開催をここに宣言します」と、天龍源一郎の言葉を代読し、大会スタートとなった。

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▽第1試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○ドン・フジイ(9分44秒 エビ固め)新井健一郎●
 ※スピニング・トーホールドを丸め込む

 第1試合はアラケンとドン・フジイの対決。ドラゴンゲートの前身である闘龍門・二期生と一期生が天龍プロジェクトのリングで対峙する。ゴングが鳴るとまずは後輩にあたるアラケンが一礼、握手の手を差し伸べる。フジイがこれに応えるがやはり罠で、フジイの手を掴み引き込んだアラケンが首固め2連発から横入り式エビ固め。さらに後方回転エビを仕掛けるがこれはフジイが突き飛ばす。

 組み合って腕を取ったアラケン。張り手で対抗するフジイの髪を掴んで倒す。腰をついてアラケンを崩したフジイ、背後を取りスリーパー。アラケンの頭が真っ赤に染まる。エスケープで逃れヘッドロックでやり返す。

 レフェリーのブラインドで巧みにナックルを仕掛け、ダメージを与えていくアラケン。怒りのフジイがぶちかましから流れを変えるべく場外戦へ持ち込むが、これもまたアラケンが顔面攻撃からいち早くリングへ滑り込み、試合ペースを握らせない。

 カウント9でリングに戻ったフジイ。その足をアラケンがスピニング・トーホールド、のど輪で振りほどかれると足4の字。フジイは苦しみながらも体を回転させてロープエスケープ。逃れてもトーホールドを再度繰り出し、徹底して足を攻めつつ試合を優位に進めたアラケンだったが、フジイはここで前のめりのアラケンを引き込んで首固め。足殺しにこだわったアラケンの隙を突き、フジイが逆転勝利となった。

フジイ「(倒れ込んで)ああ、くそ、ダメージ残ってる。最初からアラケンに翻弄されっぱなし。ああいうやつ苦手や。俺はもっとね、最初からガツガツくるやつ得意なんやけど、ああいう老獪なテクニック、いや、さすがアラケンだよ。俺とアラケンで、99年の4月20日、クラブチッタ川崎以来2度目の一騎打ちだった。あいつ覚えてるかな、闘龍門初上陸の時、クラブチッタ川崎でアイツのベルトに挑戦したのか覚えてないけど、ファイヤーバードで負けた。やっと24年ぶり、3年ぶり? 雪辱できたぜ。俺は狙ってたんだよ、おいアラケン。これで一勝一敗や。俺もああいうプロレス好きや。俺、どっちも好きや。あれでもう一回やろう。次誰? 佐藤耕平選手と、誰だ、椎葉おうじか? あの野郎! 椎葉、ドンフジイを知ってるだろ。覚えとけよ椎葉。次はおまえと一騎打ちだ」

アラケン「いやぁ、作戦ミスでしたね。インディー三冠王50歳の天龍プロジェクト新木場。今や俺のホームリング。余裕で勝てると思ってたけど、やっぱり中学卒業して、北の湖部屋でしたっけね。体のできあがってないうちからね、大勢の力士に囲まれて、その体幹の強さね。あんな古典的な丸め込みでも、返せなかったよやっぱり。ドンフジイ、すげぇや。今日はしおらしく負けを認めますよ。第二回龍魂杯、今日このあと吉田和正が出るけどよ、あいつ結構、すげぇいい試合してくれるんだろうな、オイ。楽しみにしてるよ、第二回龍魂杯は、吉田和正のためにある大会なんだよ。ガンバレよ、吉田」

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▽第2試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○渡瀬瑞樹(12分14秒 片エビ固め)SUSHI●
 ※エルボーアタック

 一回戦第2試合は初対決となる渡瀬とSUSHIの対決。組み合うと体格で上回るSUSHIが渡瀬をロープへ押し込む。シリーズ中と同じ第2試合への登場でも、この日は全く違う雰囲気を漂わせたSUSHI。再び組み合った渡瀬は先ほどとは逆にSUSHIをロープへ押し込んで頭のトロと卵を触り、あえて挑発していく。

 ピリついた空気の中、静かに押し込んでSUSHIがヘッドロック。ロープに走るとショルダータックルでSUSHIが渡瀬を吹っ飛ばす。SUSHIを睨んだ渡瀬、タックル。ぶちかましもSUSHIは倒れない。おまえが来いとロープにSUSHIを走らせると、渡瀬はその足に低空キック。怒ったSUSHIはエルボー一撃で渡瀬をなぎ倒す。

 さらにその顔を踏みつけ、背中を蹴り上げるSUSHI。顔面蹴りに渡瀬がチョップで反撃。SUSHIもまた強烈な一撃を返す。痛みに苦しい表情の渡瀬、すかさずSUSHIはカウントを迫る。返されると顔面蹴り。渡瀬はジャンピングハイからエルボーを連打し、コーナーに押し込むとカーフブランディング。SUSHIはブレーンバスターからダイビングヘッド。さらにラリアットで渡瀬を圧倒していく。

 鉄火巻きにいかせず渡瀬がエルボー。SUSHIも真っ向からエルボーを返す。渡瀬の放った渾身のエルボーでSUSHIがはじめて膝をつく。すかさず渡瀬がエルボーを連発。ランニングエルボーで倒れたSUSHIへ渡瀬がバックドロップ。カウントを返されると背後から一撃、さらにサポーターを外してのエルボーを正面からたたき込み、キラーSUSHIをマットに沈めた。

渡瀬「あんな怖いSUSHIさんをはじめて見たし、向き合ったときすげぇ怖くなって、明日のこととか考えてたら次に進めないと思って、今日どうなってもいいと思って、SUSHIさんに立ち向かいました。めちゃくちゃ痛いし、でかいし、強かったです。でも! 一番、龍魂を熱く思ってる人が上に行くと思ってるんで、負けないです」

SUSHI「くそ、くそ……あぁ〜、くそ! 今日、笑いもなく何もなく、ただただ、マジメにやった。でも結果一緒やんけ。くそ、こんなもんちゃうからな、まだまだや、まだまだ、何回倒されても起き上がったるからな。待っときや」

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▽第3試合・第2回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○仁木琢郎(5分18秒 片エビ固め)河野真幸●
 ※シャイニングウィザードをかわして丸め込み

 WRESTLE-1時代の先輩・後輩の闘いとなる第3試合。仁木は所属する2AWのベルトを肩にリングイン、河野は世界タッグ・WAR6人タッグのベルトを手に登場する。スーパーヘビーとジュニアの対決、ゴングが鳴ると体の小さな仁木が丸め込みで早期決着を狙っていく。カウントを返すと河野はヒザ蹴りで仁木を宙に浮かせ、高々と仁木を抱え上げてバックドロップ。すぐさま片エビでカウントを奪おうとするが、仁木はカウント2.9で返す。

 河野のファルコンアロー狙いを切り返した仁木がウラカンラナ、返されるとドロップキック。フィッシャーマンで上げようにも上がらない河野。ならばとドロップキック3連発、河野はジャンピングニー、さらにコーナー2段目からの雪崩式バックフリップ。

 カウントを返すもダメージが明らかな仁木。ニーを返すと河野にシャイニングウィザード、さらにジャーマンで河野を持ち上げ、ハリケーンドライバーへ。倒れた河野へスプラッシュを放つもこれはかわされて自爆。

 5分経過、苦しむ仁木の背後から河野がヒザ、さらに正面からシャイニングウィザード。しかしこの瞬間、すかさず仁木が河野の足を取ってトルネードクラッチで3カウント。圧倒的とも言える体格差を超え、レッドブルーとしてタッグでも躍進する仁木が番狂わせを起こした。

仁木「勝ったぞ。あぁ、勝ったぞー! この1年間、このリングに上がり続けて、身長も体重もキャリアも関係ないっていうこと、このリングで学んできたんで。今日はそれが出せたと思います。まだまだ一回勝っただけなんで、明日3試合して、俺が優勝してやりますよ。以上です」

河野「今回のこれで、俺の龍魂杯は終わっちゃった。ただ常々、俺もプロレスは肩3秒つけたら勝ちだって、自分で言ってるからな。自分がプロレスのルール振り回して人にケンカ売ってきたからな。まぁレフェリーのミスジャッジの可能性をVTR判定してもらって、明日期待して。ただ仁木、負けたから、チャンピオンだからさ。チャンピオンがノンタイトルで負けたら、そういうこと。友達でも先輩でも、2人連れてきてくれよ。俺もアラケンさんと耕平さんに頭下げて、防衛戦でリベンジさせてくれよ」

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▽第4試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○岩崎孝樹(10分1秒 岩石落とし固め)近野剣心●

 第4試合は『龍魂杯』初参戦同士、初対決の一騎打ち。互いに蹴りを得意とする2人、先にローを繰り出したのは岩崎。すかさず近野も蹴りを返す。フロントキックを近野の顔面にたたき込んだ岩崎、近野はブレーンバスター。倒れたところにすかさずスリーパーからクロスフェースに持ち込み、岩崎のスタミナを奪っていく。

 岩崎がエスケープ、スタンドで対峙すると近野がエルボーから左ミドル。岩崎が蹴り足を掴んでキャプチュード、バックブリーカー。テキサスクローバーで近野を厳しく絞っていく。痛みをこらえ近野がなんとかロープエスケープに成功。岩崎の攻めは止まらず、強烈なフロントキックで吹っ飛ばす。串刺しの追撃を狙ったところで、近野はビッグブーツからミサイルキック、ジョンウー。攻勢に転じた近野が鋭い蹴り。岩崎もまた体が浮くほどの蹴りを返す。蹴り合いから打ってこいと胸をあける岩崎、近野もまた打ってこいと返す。ミドルで崩したのは岩崎。近野が右ハイキック、かわしたところへ近野がエルボーからフィッシャーマンズバスター。

 両者ダウンの状態からともにロープを支えに立ち上がる。ともに相手の攻撃をかわしながら、岩崎が飛びつき腕十字を切り返し押さえ込むもカウント2。キック連打からダイビングニー。粘る岩崎がカウントを返す。近野の右ハイキックに岩崎がクロスカウンターでハイキック。ふらついたところへ右ハイで追撃、ひねりを入れたブレーンバスターからバックドロップホールドと畳みかけ、執念の勝利を手にした。

岩崎「いやー、効いたね。さらに頭が悪くなった気がするよ。まぁ紙一重だね、でもね、自信はあるから。次に誰が来るか分からないけど、さらにバカになってバカになって、とことんこのリングでやってやろうじゃないの。今日はもう、これで以上で」

近野「あぁ、負けた。凄かった。もっともっと、あと一歩。結果がすべてなんで、今回のことはめちゃめちゃ悔しいけど、もう1回。もう1回必ずこのリングに戻ってきたいと思います。強かった」

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▽第5試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○矢野啓太(11分28秒 ゆりかもめ)那須晃太郎●

 バトラーツ出身の矢野とU-FILE CAMP出身の那須、9年ぶりのシングルマッチとなる両者。前回の対決は那須が勝利しているが、昨年の龍魂杯準優勝の矢野としては当然、ここで負けるわけにはいかない一回戦。那須もまた天龍プロジェクトのリングで実績を作るためにも、勝利を掴みたい一戦となる。

 那須のタックルを切って上になった矢野、サイドから足を狙うも阻まれると立ち上がる。手の取り合い、那須が引き込んでグラウンドで足関節の取り合いに。矢野は那須の腕を取り、脇固めへ。那須の打撃を封じつつ、自分のペースに持ち込んでいく。5分経過、那須は組みあって強引に矢野を投げ飛ばしチョップからバックエルボー、右ミドルと打撃。ブルドッキングヘッドロックで一気に攻勢に転じた那須だったが、矢野は足を引っかけて転ばせると那須の手の甲を踏み、さらにフィンガーロック。手四つの力比べとなると那須が押し勝つが、矢野は手を離して前方に投げ、ネックツイスト。

 変則的な攻撃を前に那須が突破口を掴めない中、矢野がヘッドロック。足を使って顔面への攻撃からエビ固め。返した那須は矢野の背にローキック。ブレーンバスター。カウントは矢野が返す。逆さ押さえ込みは那須が返し、フロントキックからのバックドロップは矢野が着地して返す。アッパーカットエルボーから投げられまいと踏ん張る那須を矢野がバックスライドの状態で回転、さらに回転を繰り返しての逆さ押さえ込みと見せかけて、前方回転エビ。カウントを返されるとすぐさまゆりかもめへ。度重なるフェイントから極めたゆりかもめで矢野が2回戦進出を決めた。

矢野「第二回龍魂杯。ちょっと、那須選手が合わしてくれたってとこあったかな。でもまぁ、最後はゆりかもめ。まぁ明日もあるから。明日も全部勝つ。以上、ノーコメント」

那須「初の龍魂杯。ここ最近僕としては珍しく天龍プロジェクト2連勝してたんですけど、やっぱり強いわ矢野啓太。久しぶりのシングルだったけど、まぁちょっと向こうもレベル上がってます。僕がレベル上がってないわけじゃないですけど、今日の試合だと向こうのほうが少し分があったと思うんで。こんなことばっかり言ってんな、次やったら必ずやり返すんで、またよろしくお願いします。必ず矢野啓太、優勝すると思うんで、このままぶっちぎって優勝してほしいです。以上、ありがとうございました」

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▽第6試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○谷嵜なおき(11分48秒 片エビ固め)椎葉おうじ●
 ※インプラントボム

 9月に谷嵜と児玉が持つIJタッグのベルトに挑み、破れた椎葉。レッドブルーとしてタッグを組む仁木が河野から金星をあげただけに、自身もシングルで雪辱を果たし2回戦へと進みたい。

 ともにドラゴンゲート出身でもある両者、組み合うと谷嵜はすぐさまヘッドロック。突き放してホイップからドロップキック、ローリングサンダー。さらにその背中に低空ドロップキック。谷嵜はエルボーで椎葉を倒してストレッチからDDT。椎葉のスピードに対し、谷嵜は攻撃ひとつひとつを厳しく放ってダメージを与えていく。ロープに飛んだ椎葉をカウンターでスリーパーに捉え、エルボー。連打に倒れ込む椎葉。立ち上がるとエルボーで反撃、待ち構える谷嵜へドロップキック。レッグラリアットでなぎ倒し、スワンダイブミサイルキックをたたき込んでいく。

 谷嵜はヒザを放つとハイスピードの変型ギロチンで椎葉をなぎ倒し、ロープに固定させると地獄の断頭台。自力で返し、次いでのカサノヴァをかわした椎葉がフィッシャーマンを狙うが谷嵜が封じ、至近距離からエルボー。椎葉は呼応してエルボーを放ち、エルボー合戦に。

 谷嵜の平手打ち連打に椎葉もカウンターで一撃。谷嵜も返してなぎ倒し、カサノヴァ2連発。カウント1で返した椎葉がエルボー、さらにIJタッグ戦で見せたランヒェイを放つもカウント2。ヴァルキリースプラッシュもカウント2。追い込む椎葉がフェニックスセントーンでフィニッシュを狙うが、谷嵜が誤爆させてクロスフェイス。椎葉は前方に回転し返すと延髄からジャーマン、ハイキック。カウントを返されると椎葉がバズソー。谷嵜はリバースインプラント。場内のおうじコールを背に粘る椎葉だったが、谷嵜はガッチリと固めてインプラントボム。伝家の宝刀で谷嵜が二回戦へ駒を進めた。

谷嵜「ああ、勝った。とりあえず一回戦突破だコノヤロー。ただよ、椎葉おうじ、正直ちょっと危なかったよ。俺のトーナメントのプランが一発目からひっくり返りそうになったよ。正直、今日の闘いで俺のHP(ヒットポイント)、ゼロくらいに近づいてたよあれ。今日寝て、明日の2回戦、誰だ。よくわかんないけど、誰が来ても、そこブチ破って、てっぺん掴んで、俺が龍魂杯、優勝をかっさらって、あの杯でテキーラとかビールとか入れて乾杯してやるぞ、コノヤロー」

椎葉「くそーー!! クソーーッ!! 今までの全部ひっくり返せるチャンスだと思って挑みました。でも結果……、クソーッ!! くそ……、パートナーの仁木にも、だんだん差が開けられているのも、全部悔しくてもう……クソーッ! もう、クソーッ!!」

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▽第7試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○佐藤耕平(9分33秒 片エビ固め)吉田和正●
 ※エルボー

 WAR6人タッグでの因縁も深い、佐藤耕平と大日本プロレス・吉田和正の対決。吉田にとっては6人タッグの雪辱を晴らし、龍魂杯優勝で一気に自分の名を上げていきたいところ。気合いとともに耕平と組み合った吉田。解説席のアラケンが前回大会の入場からコスチュームまでダメ出しを繰り返す中、吉田は果敢にもチョップからエルボーと畳みかけて攻勢に出る。ボディスラムで耕平を投げる吉田。あえて吉田の力量を測るかのように、耕平は反撃せず受けに回る。胸板へのエルボーからバックエルボー、レッグドロップ。がら空きの背中にエルボー。不気味なほどに全く攻撃を繰り出そうとしない耕平。カウントを返した耕平へ吉田がハーフボストンクラブ。

 耕平がエスケープ、吉田がブレーンバスター。カウントは返すも攻勢に出ない耕平。片ひざを付いた耕平の背に吉田がエルボー。打ち返してこない耕平へさらにエルボー、チョップ。勝ちを掴みにロープに走った吉田へ、耕平がついにヒザ蹴り。立ち上がろうとしたところへ強烈なエルボー。次いで延髄蹴りで吉田がダウンカウントを取られる。

 一気に攻勢に出た耕平がファルコンアロー、馬乗りになってエルボー連打。目がうつろの吉田、ロープに足を伸ばす。ダウンカウント8で立ち上がったところへ耕平がエルボー一発。吉田が倒れ、KOで耕平が勝利した。

 怖さを見せつけた耕平の攻撃に解説のアラケンは「タッグパートナーでよかった」と安堵。同時に「吉田もまぁ頑張ったよ」と吉田の奮闘も認めた。

耕平「吉田が、俺が今まで知ってる中でアイツがそこまで勝ちにこだわってきたのって、はじめてじゃないかな。当然と言えば当然なんだけど、今までのアイツとは全然違ってたんで。まぁでも、まだまだってことをわからせた上で、勝ちに繋げたんで。はい。明日は勝ち上がると優勝するまでに3試合、頑張ります」

※吉田はダメージが深くノーコメント

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▽第8試合/第二回龍魂杯トーナメント一回戦(15分1本勝負)

○佐藤光留(14分33秒 片エビ固め)レイパロマ●
 ※デスバレーボム

 昨年に続いてトーナメント一回戦で対決する両者。パロマは厳しい表情でリング中央に立ってIJ王者・光留を見据える。素早く飛び込んだ光留のタックルを切り、背後に回って腕を取ったパロマ、光留もすぐに取り返す。組み合いロープに押し込んだ光留、クリーンブレイク。右手を差し出したパロマ、光留も警戒しつつ握手。クリーンに握手、離れた後に差し出したパロマの右手を光留が掴むと今度は罠で、低空キックで光留の足を一撃。さらに光留の足をロープにかけるとドロップキックをたたき込み、飛び込んでパンチ。ファイヤーマンズキャリーからマットに叩きつけ、リング中央で恍惚。足殺しでIJ王者攻略にかかる。

 最初のエスケープを奪ったパロマ。再びファイヤーマンズキャリーで持ち上げようとしたところを光留がネックロック、さらにグラウンドの状態で締め上げる。ギブアップしないとみるや肩固めへ。エスケープを試みるパロマを突き放し、背中に蹴り。

 首の痛みをこらえるパロマ。光留はエルボー。エプロンに座らせると強烈なローで場外へ叩き落とす。リングへ戻すと首へニードロップ。立ち上がったパロマが意地のエルボー。光留に返されるもエルボーを返していく。

 倒れないとみるや光留が水車落とし。フライングニールキックを返してパロマボンバー。2度目の恍惚で足殺し、ヘッドバッドで振りほどこうと狙う光留へパロマが逆ヘッドバッド。さらに足を極めたままリバースフルネルソン。王者の動きを封じたパロマだったが、光留はボディへのパンチで技を解く。

 エルボーからマシンガンキックが降り注がれるも、パロマは龍のリングでチョップとグーパンチの乱れ打ち、さらに延髄切り。パワーボムを拒まれると回転エビ、返されると飛びついてコルバタ。アクシデントでレイパロマがTバックを露出させてしまう。

 気づかないパロマへ光留がガットショット、パロマは動きづらい両足でドロップキック。タイツを戻したパロマ、あびせ蹴り。雪崩式フランケンシュタイナー。続いてのパロマボンバーも光留は崩れない。2発目、3発目と放ち低空キック。4発目のパロマボンバーからフォールへ行くも返される。

 残り3分、エノラゲイでカウント2.9まで迫るも、パロマボンバーをキャッチした光留が肩固め。残り2分、動きの止まったパロマへバックドロップ。カウントを返したパロマが2発目のバックドロップをつぶして粘る。3発目のバックドロップもパロマが肩を上げる。残り1分、場内からはパロマコール。エルボーから光留が頭突き。デスバレーボムを放つと残り27秒でパロマが沈んだ。

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 パロマの大奮闘を見たアラケンは「IJタッグを巻かせてあげたい。ジュリーズのリーダーはレイパロマですよ」と絶賛。結果だけを見れば昨年と同じく1回戦負けも、パロマがメインで観客とタッグパートナー、新井健一郎の心を掴んだ。

 1回戦の結果を受けて明日はドンフジイvs佐藤耕平、矢野啓太vs谷嵜なおき、佐藤光留vs岩崎孝樹、渡瀬瑞樹vs仁木琢郎の2回戦へ。4wayマッチでアラケンvsパロマvs河野真幸vsSUSHI、タッグで那須&椎葉vs近野剣心&吉田が決定した。

 全選手が集合したリング上、売店部長の拳剛もリングインしマイクを持つ。

「全8試合、これが龍魂です。これこそが龍魂ってやつでしょ。全選手の魂、みんなに届いたと思うんですけど、みんなにも生きてる実感、つかみ取って家に帰ってほしいと思います。“エイエイオー”3発、腹から声を出していきましょう! 腹から声を出してたら、生きてる実感つかみ取ること出来るんで。わかるよ、観戦疲れやろ。それは俺も分かるよ、でもまだまだ、2日目が待ってるぜ兄弟! 明日もあるよ。明日に向かって、3発、行くぞー!!」。拳剛の音頭で観客とともに全選手がエイエイオー。熱戦を繰り広げたパロマと握手を交わし、最後に光留がリングを後にした。

光留「おう、天龍プロジェクト、痛みが伝わり過ぎるプロレスって言ってたけど、それだけじゃないからね。天龍プロジェクトに来たら、みんな己が何か、いつも問答してるんだよ。レイパロマ、よそいきだったけど、レイパロマだったよ。ちょっと何か、嬉しいし、俺のずっと一緒にプロレスやってきた人が、何であの人のこと好きだったか、ちょっと分かったよ。でもここは天龍プロジェクトだから。ヘビーだろうがジュニアだろうが、どこの団体だろうが関係ない。なぜなら俺、佐藤光留は“ミスター・天龍プロジェクト”だから。以上」

パロマ「佐藤光留。佐藤光留に負けた。悔しいけど、なんか、スッキリしてるちょっと。なぜだと思う、諦めない心だ。(首を冷やしながら)強くなったからな、来年も出るから、また一回戦。佐藤光留、用意しとけ」
アラケン「ちょっとちょっと。解説で見てて、マジ、本当に感動した。素晴らしい」
パロマ「ありがとうございます」
アラケン「龍魂杯二回目、お互い一回戦負けだけど。俺たちにはジュリーズがある。俺、本当にこのおじさんにタッグのベルトを巻かせてあげたい。行きましょう。必ず、私の責任、プロレス人生をかけて、あなたの腰にIJタッグ。巻いてもらいますよ。今日はあっぱれでしたよ」

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