試合結果

2023.02.15

2023年2月12日 『天龍祭』新木場大会(第2部/夜の部)

2023年2月12日 『天龍祭』新木場大会(第2部/夜の部)

天龍源一郎AID実行委員会

『天龍祭~天龍源一郎AID~』第2部(夜の部)

2023年2月12日(日) 17:30開始/東京・新木場1stRING



 天龍祭の2部は1部に続き天龍祭実行委員会の発起人のひとり、RGの天龍源一郎あるあるでスタート。アイスペールに酒各種をブレンドして飲ませる天龍カクテルエピソードを披露。続いて天龍プロジェクトの嶋田紋奈代表がリングへ。「皆様こんばんはー! お昼もRGさんのとても面白いあるあるを披露していただいております。先ほど一部の開会中に大将から連絡があり、ICUを出られまして」と発表すると、場内からは大きな拍手。「きっとこれは天龍祭が起こした奇跡なのかなと思っております。皆さんにたくさんご心配をおかけするような形だったんですが、ひとまずは緊急性のあるところからは脱せたのかなと思っております。もう少し長い闘いは続きますけれども、絶対にこちらのリングに帰ってきて皆様と一緒にプロレスを楽しむ日がくると思いますので、一部に続いて二部も、天龍プロジェクトではないんですけれども“天龍祭”という形で、皆様に腹いっぱい楽しんでいただけたらなと思います。楽しんでいただいて、天龍にエールを送りながら、ご協力いただいている選手たちにも声援をよろしく御願い致します」と、明るい声で開会宣言を行った。

 続いて行われたメインの6人タッグ抽選。鈴木は加わらず、紋奈代表が代わってくじ引き。

 カード決定の後に「笑点」のテーマが流れ「Presented by デッドリフ太郎・天龍源一郎大喜利」を開催。「こんなSWSは嫌だ」「天龍さんが喰らって痛かったプロレスの技ランキング98位は誰の何?」といった5つのお題にレイパロマ、佐藤光留、渡瀬瑞基、拳剛、菊タローが挑んだ。

 菊タローは回答以上にトークで攻め、拳剛はイラストで存在感を見せる。渡瀬は大喜利の直後に第1試合参戦という厳しい状況ながら本業の芸人スキルを発揮し、メインで鈴木みのるとの対戦が決定したばかりのパロマはメンタルの不安定さを見せながらも奮闘。同じくメインでの対鈴木みのる戦が決定しておりながら、踏み込んだ回答の多くで観客の指示を得た佐藤光留が優勝となった。

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▽第1試合/タッグマッチ(30分1本勝負)

○GAINA&阿部史典(17分03秒 体固め)渡瀬瑞基&那須晃太郎●
 ※鳴門海峡

 大喜利の直後ながら完全に気持ちを切り替えた様子で、厳しい表情にガンプロのベルトを携えて入場の渡瀬。パートナーの那須は1月の天龍プロジェクト新木場大会で佐藤光留のIJタイトルへ挑み、敗れたばかり。GAINAはこの日推定体重135キロ、阿部は昼の大日本プロレス後楽園大会メイン出場を経ての天龍祭参戦となった。

 先発は那須と阿部。阿部のタックルを素早く切り背後を取る那須、アームロックを狙うが阿部がこれを察知し素早くロープへ。両者見合った後にタッチ、渡瀬とGAINA。巨漢GAINAに正面から組み合う渡瀬、押し込まれるも視線はそらさず。再度組み合って背後を取られるとロープへ逆に押し込み、GAINAの頭を撫でて挑発する。

リング中央手四つに組み合う両者。GAINAが瞬時に押し込み、渡瀬はうめき声。押し返す渡瀬を再度押し込み、エルボー。打ち返すも重みのある一撃が振り落とされる。赤コーナーで阿部がタッチ、蹴りを受けた渡瀬はグラウンドへ。アキレスを狙った渡瀬に阿部はアンクル狙い。これを那須が素早く入りカットする。

渡瀬は那須のカットを制止、阿部はフライングメイヤーから平手打ち。渡瀬はエルボー、阿部はナックルから低空ドロップキックを突き刺しGAINAを呼び込む。股裂きから重い体重をかけながらのサソリ固めへ。エスケープで逃れるもさらにGAINAはダイビング・ボディプレスを打ち落とす。阿部の蹴りからGAINAがおんぶプレスを披露、合計210キロ以上でつぶされた渡瀬。それでもパワーボムを切り返して持ち上げ、腰を押さえながらも那須へタッチ。

 那須はGAINAへローキック、入ってきた阿部にはレッグボンバー。GAINAへのブレーンバスターを予告するが持ち上がらず。逆に投げられたところで阿部が入り、那須のミドルをキャッチしてドラゴンスクリュー。那須は延髄切りを切り出して渡瀬へタッチ。

 渡瀬がスープレックスからカーフブランディング。追撃を狙ったところへドロップキック、ランニングPK。蹴り足を掴んだ渡瀬はエルボー。阿部も張り手を返し、エルボーと張り手の打ち合いに。ランニングエルボーで飛ばされた阿部、アイルビーバックから伊良部パンチ。渡瀬はブレーンバスターを返すも、両者ダメージは大きくパートナーへタッチ。

 GAINAが太い腕で放つラリアット、フライングメイヤーからダイビングエルボー。カウントは返すも苦しい那須、渡瀬がカットに入るがこれは場外へ。この隙に那須が立ち上がりジャンピングハイキックを放つ。

 那須と渡瀬がGAINAへ串刺し攻撃、渡瀬のダイビングフットスタンプから那須がPK。カウントに入るもこれは阿部がカット。阿部を渡瀬がカットも、あいルビーバックから渡瀬が逆に場外へ。リング上、GAINAのローリングラリアットを切り返して脇固め。エスケープで逃れる。乱戦の中で那須と渡瀬の同士討ちを誘った阿部、渡瀬を捕獲して3人分のおんぶプレスを披露。息絶え絶えながらこれを返した那須だったが、最後はローリングラリアットに沈んだ。

 決着後も場外でやり合った阿部と那須は互いを意識。GAINAの重みのせいか試合後にリング調整の時間が取られた。

GAINA・阿部「ありがとうございました」
GAINA「1試合目だったんですけどね、1試合目からメイン以上の試合してやろうと思ってきたんでね。熱いもの見せれたんじゃないですかね。どうですか」
阿部「本当にその通りだと思います。天龍さんにも届いたかもしれません」

GAINA「ね。(阿部の額を指さして)血出てるし。俺も鼻から血出てますからね。これぐらい気合い入ってますからね、天龍さんにも届いたんじゃないですかね。これからも届けられるようなプロレス、続けていきたいですね」
阿部「続けていきましょう!」
GAINA・阿部「ありがとうございました!」

那須「140キロもデカイけど、あれに持ち上げられたらかなわないっすよ。背中ボキっていったから」
渡瀬「何もできなかったです。キツいですね。知ってはいたけど味わったことのない選手、全国にはいろんな選手がいて、面白くて。俺はいまめちゃくちゃワクワクして、悔しいとかじゃなくてイキイキしたんで、ここのリングでもいいし別のリングでもいい。面白い相手見つけましたよ。那須さんとも何回も試合やってるし、でもああやって試合やってても、こうやって初めて組んだらいい感じにできるんですよ。いいリングですよここ」
那須「意地強いから、弱ってても向かっていっちゃうんですよ。そこの駆け引きができればもっといいタッグになれるかなと。また組みましょう」
渡瀬「組んでも、戦っても、また。よろしく御願いします」
那須「また組んでください。よろしく御願いします」

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▽第2試合/タッグマッチ(30分1本勝負)

○高岩竜一&入江茂弘(12分23秒 片エビ固め)藤原喜明&椎葉おうじ●
 ※デスバレーボム

 天龍祭・第1部でザ・グレート・サスケ相手にシングルで大金星をあげた26歳・椎葉おうじ。第二部はこれまたレジェンドの73歳・藤原喜明組長と組み、ベテランジュニアファイター高岩、パワーファイターの入江と対峙する。

 第1部の勢いそのままに先発を買って出た椎葉、入江のパワーに押し込まれるも突進をジャンプで切り返し、コルバタで翻弄。ならばと入江は椎葉を担ぎ上げて青コーナーへ連行、高岩とタッチ。椎葉もまた高岩の腕を取って自軍コーナーへ、藤原とタッチする。高岩は藤原をロープ際まで押し込み、胸板へチョップ。再度組み合って押し込まれるも体を入れ替えた藤原、離れ際に平手打ちを三発。ついでとばかりにコーナーの入江の顔面にも一発入れる。

 パワーで押し込み片足タックルを放った高岩、藤原はすぐさま腹固めへ。カットに入る入江を椎葉が制する。高岩は自力エスケープ、次いでロープを使っての反則攻撃から椎葉との連携と、大人げなく攻めていく。タッチを受けた椎葉、チョップ合戦からラリアットで椎葉を吹っ飛ばし、パートナーへタッチ。入江はエルボーで椎葉をなぎ倒し、コーナーの藤原へエルボーを放って意識していく。「ジジイよく見とけ」と言い放ってのキャリースプラッシュに、藤原はその頭を蹴って頭突きを狙うも、入江は場外へ落として出させない。

 リングは高岩が椎葉へ逆片エビ、藤原は頭突きでカット。椎葉は入江の突進をかわしてミサイルキックし藤原へタッチ。一本足頭突きを放った藤原、連打で入江をぐらつかせる。突進を切り返して藤原が脇固めへ。高岩が強引にカットして外す。

 藤原のバトンを受けた椎葉、ミドルキックで入江の腕を攻めるが入江はブラックホールスラムから蹴り上げ。タッチを受けた高岩がチョップからラリアット、椎葉はステップ延髄からレッグラリアット。フォールを迫るがこれは返されてしまう。コーナーから追撃を狙ったところを返され、この日2発目の雪崩式ブレーンバスターをくらった椎葉。痛みをこらえつつもフィッシャーマンバスターからスプラッシュへつなぐが、フィニッシュの雲外蒼天はパワーで阻まれてしまう。ここで入江がキャノンボールでアシストし、高岩が垂直落下式ブレーンバスター。最後はデスバレーボムで椎葉がマットに沈んだ。

入江「あのクソジジイ。あのクソジジイとぶつかったらめちゃくちゃ燃えるよ。でもそのパートナー、椎葉おうじ。あの若いの、あいつなんもアカンやないか。全然。僕の前に立つ人間じゃない。もっともっと経験積んで、入江茂弘の前に立てよ」
高岩「藤原さん、あいかわらず元気だね。あのジジイ目指して俺も頑張っていくんで」
入江「あんなジジイになりましょう」
高岩「(握手して)なりましょう。ありがとう」

藤原「なにかひとことぉ? …バカヤロウ!」

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▽第3試合/シングルマッチ=大日本プロレス提供試合(30分1本勝負)

◯関本大介(9分19秒 マフラーホールド)橋本和樹●

 第3試合は大日本プロレス提供試合。関本、橋本の両者とも昼の大日本プロレス後楽園ホール大会を経ての2試合目となる。リストの取り合いから関本が腕を固めていく。橋本も負けじとヘッドシザーズで関本を止め、離れると互いに相手を見据える。

 突進する関本を場外へ追いやると、橋本はエプロンを走ってローキック。リングに戻った関本は串刺しをキックでかわすとクルリと弓矢固め。離れるとストンピング、ボディスラムと橋本を圧倒する。気持ちでは負けないとばかりに橋本はエルボー。関本も打ち返し、激しい打ち合いに。しかめ面で動きを止めた関本に連打を放つ。

 関本はローキックからサソリ固め。苦しみながらも橋本はエスケープで逃れ、カウンターでジャンピングラリアット。串刺しハイキックからネックブリーカー、ニードロップ、三角締めと攻勢に出る。関本もたまらずこれにはエスケープ。

 関本のパワーを前に粘る橋本、ラリアットをかわしてスリーパーにとらえるとデスバレーボムをさく裂させるとヘッドバッド。しかし関本も後輩相手に勝利は許さずと、橋本の足を固めてマフラーホールド。リング中央ロープには手が届かず、橋本がタップアウトし試合終了となった。

 文字通りに厚く大きな存在であることを示した関本。握手の手を自ら差し伸べて後輩の健闘を称えた。

関本「久しぶりに和樹と試合できて良かったと思います。彼、みちのくでベルト取ったりしてすごい成果あげてるんで。ホントに、今日もやばかったし。気をつけないといけないですね。まだまだこれからも頑張りますよ。
ーー『天龍祭』だが、天龍さんとの思い出は
 そうですね……。天龍さんがよくお寿司屋さんに、すごく高級な、とても自分で行けるようなお寿司屋さんじゃないお寿司屋さんに連れて行ってもらったの覚えてます。
ーー天龍さんに一言
 そのせつはおいしいお寿司をたくさんいただいてありがとうございました。元気になってまたリングで会えることを、楽しみにしてます」

橋本「今日は大日本プロレスの提供試合として関本さんと俺で試合したけど、多分天龍さんの好きな気持ちのこもった試合はできたかなと思うけど、やっぱエールを送るなら勝たなきゃ意味がないでしょ。だからこそ次、またこういう機会があったら、次こそ勝つ」

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▽セミファイナル/【Presented by とりで寿司】男女混合ミックスドマッチ(30分1本勝負)

◯佐藤耕平&岡優里佳(11分19秒 片エビ固め)岩田美香&SUSHI●
 ※パイルドライバー

 天龍祭2部のセミファイナルはミックスドタッグマッチ。センダイガールズより参戦の岩田、パートナーはSUSHI。同じくセンダイガールズより参戦の岡優里佳、パートナーは佐藤耕平。天プロではまずあり得ない一戦だが、超異色マッチの結果はどう出るか。

 先発に自ら名乗りをあげたのは岩田。代われと要求する耕平に対し、岩田は出てこいと挑発。仕方ないといった様子で耕平が先発に出るが、岩田のローを受けながらもおまえが出ろよとSUSHIを指さし続ける。ローを連打する岩田の背に耕平が一撃放つと、岩田は痛みで声を上げ、SUSHIにタッチ。耕平もやれやれといった顔で岡にタッチする。

 岡と向き合いヘイラッシャイと言い放つSUSHI、岡はその顔を張り手。もう一度強めに頭のSUSHIを強調して言い放つが、やはり張り手。しょぼんとコーナーに戻ったSUSHIを、パートナーの岩田も張り手で一撃しゲキを飛ばす。岡がSUSHIの頭にあるSUSHIを手づかみしコーナーへ引きよせると、耕平はその腰にエルボー連打。痛みにジタバタするSUSHIが場外へ逃亡する。耕平はリングに戻ったSUSHIをコーナーへ連行し、岡にタッチ。岡は臆することなくSUSHIへドロップキック3連発。さらにキャメルクラッチで見せしめのように攻めあげ、頭上のSUSHIにかぶりついてみせる。さんざんSUSHIを攻めた後に耕平へタッチ。意地を見せたいSUSHIがエルボーを叩き込むが、耕平の重い反撃をくらうと崩れ落ちてしまう。

 SUSHIにいいところなく5分経過。タッチを受けた岡がエルボー連打、張り手。ロープに走った岡へショルダータックル。岩田は蹴りを連打、ヒザを打ち込んでフォールの体勢に。すぐに肩をあげた岡、岩田の胸板へエルボー。岩田はもっと打ってこいと言い放ちエルボーで岡をなぎ倒す。ボディスラムで投げの体勢に入ったところ、岡も負けじと岩田をネックブリーカーで投げ返す。

 そこに耕平が入り、涼しい顔で岩田の背へロー一撃。このアシストを受けて岡はフィッシャーマンバスター。背中の痛みに苦しい顔をしながらも岩田はフォールを返す。岩田の奮闘で火が付いたか、SUSHIがタッチを要請しリングへ。耕平もリングへ入る。チョップ合戦からSUSHIがニールキック。すかさず岩田が入り、2人がかりで耕平をコーナーに投げるとSUSHIのラリアット、さらにローキックからソバット、かかと落とし。さらにダイビングヘッドを落とし、耕平にフォールを迫るがこれはカウント2。

 両手を広げて鉄火巻きを狙ったSUSHI、耕平はヒザ蹴りからエルボーでなぎ倒し、コーナーの岩田をリング下へ。岡がフェースクラッシャーからドロップキック。耕平が高々と持ち上げてファルコンアロー。岩田がカットすると岡も入って止める。最後は耕平がパイルドライバーでSUSHIからフォールを奪った。

 力の差を見せつけた耕平、奮闘を称えて岩田に右手を差し出すが岩田はこれを拒否してその手を叩き、さらに張り手で一撃。耕平はやり返さず、岩田は悔しい雄叫びをあげて退場した。

SUSHI「すみません、岩田選手、ごめんなさい。負けちゃった。めっちゃ頑張ってたから俺も触発されて」
岩田「途中張り手しちゃって、すみませんでした」
SUSHI「いやいや、すごいよ、女性選手であんな耕平選手なんか、ビビるやん。普通に天龍プロジェクトに出てる選手も、あそこまで思いきり行く人、すごいと思うよ。自分も触発されて頑張ったけど今はこのザマや、でも! 佐藤耕平! 今日でおまえ、俺の“倒さなあかんリスト”に入ったぞ。勝手に入れたからな。オマエベルトも持ってるし、そういうのも狙うけど、まずは勝ってから、勝ってからや。どうぞ。思いの丈を」
岩田「いや~、背中痛い。やっぱり私も蹴りを使う者として、今日のこの対戦すごくワクワクしてましたし、男だろうが女だろうがそんなの関係ない、ほんとに蹴りで勝ちに行こうと思っていたんですけど、めちゃくちゃ強かったです。でもこの痛みを私自身が体感できたので、私もさらに自分の蹴りに磨きをかけていこうと改めて思いました。本当に対戦できて良かったですし、私はこれだけじゃ終わりたくない。それは伝えてきたと思うので、受けとってもらえればなと思いました。ありがとうございました」
SUSHI「天龍プロジェクトでまたこういうミックスドマッチがあるときは、ぜひまた岩田選手と組んでください」
岩田「いえ!、ぜひ。こちらこそよろしく御願いします」
SUSHI「いや~、クソ。頑張ろう。頑張ろう」
岩田「頑張る!」

「本日は天龍祭に参戦させていただき、ありがとうございました。なんかいろいろ、試合をして、感じました。天龍さんの思いとか。本当にいろいろ感じて……自分、天龍さんの映画を見に行ったことが過去にあったので、この大会に参戦させていただけてとても嬉しいですし、自分のプロレスが少しでも天龍さんとお客さんに届いたらいいなと思っています。本日はありがとうございました」

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▽メインイベント/【Presented by 三室亜生】組み合わせ当日抽選6人タッグマッチ(30 分1本勝負)

○鈴木みのる&河野真幸&矢野啓太(18:58 体固め)佐藤光留&真霜拳號&レイパロマ●
 ※ゴッチ式パイルドライバー

 鈴木とIJ王者・光留が先発。盛り上がる観客をよそに鈴木はリングを一周回って矢野にタッチ。すかされた光留だったが、気を取り直して矢野に向き合う。組み合うとすぐにバックを取った矢野。ロープへ押し込んでブレイク。光留がヘッドロックからリストを取る。矢野は切り返して脇固め。光留が回転し逃れると、その背をたたいて真霜拳號がリングへ。

 組んでフェースロック、赤コーナーへ。鈴木みのるがタッチ。真霜拳號のエルボーにニヤリと笑い、打ち返す。真霜拳號もすぐさま打ち返す。打ち合いからコーナーへ、パロマにタッチしようとしたところを妨害する鈴木、ならばと光留がリングへ。師弟対決で顔面へ一撃、エルボーを放った光留だったが、鈴木はじっくりと溜めて一撃、矢野へタッチ。実況の「師匠」の言葉に鈴木は「誰が師匠だ。俺があいつに教えたのは金勘定だけだ」と否定。

 光留からパロマへ。コーナーでの股間押しつけからレッグドロップ、矢野はコーナーへフライングメイヤー、鈴木へタッチ。パロマは果敢にチョップを打ち込むが、打ち込みながら鈴木に威圧されて下がってしまう。チョップ一発から逆片エビ、さらにフェースロック、腕十字とサブミッションの連続攻撃。ロープに足を伸ばすが届かない様を見て、すかさず真霜がカットに入る。

 鈴木は脇固めで真霜の動きを止め、腕を取ってコーナーへ。レフェリーの気を引きつけている間にも河野が真下の腕を痛めつける。バックドロップからフォールを迫られるも自力で返しカウント2。ジャンピングハイキックで一撃、光留へタッチ。

 光留もIJ王者として大喜利以外でも存在感を見せつけたいところ。河野を「投げるぞ」と宣告し水車落としを狙うが、難しいとみると「重い」と吠えて一度離れる。そこへすかさず河野のジャンピングニー。矢野が飛び込んで絡みつくとコブラツイストから揺り椅子固めへ。平衡感覚を失わせたところへフォールを迫るもカウント2。

 アッパーカットエルボーを受けてふらつきながらも光留が下から絡みついて膝十字、アキレス腱固めへ。足を取り返す矢野に光留はアンクルホールド。同じく矢野もアンクル。光留は強烈な平手打ち。矢野はアッパーカットエルボー、光留はミドルキック。張り手の応酬で膝をつく矢野、倒れまいと光留の髪を掴み、両者同時にヘッドバッド。ともに倒れるが先に立ち上がり、タッチしたのはレイパロマ。パロマはあえて矢野を攻めず、果敢に鈴木を指名。指さして「来い」と言い放ち、場内がどよめく。

 チョップの打ち合いからエルボー、崩れるも立ち上がったパロマ。2発目のエルボーで崩れたところへ鈴木が猛連打。やり返すも打ち返され、腰が落ちて無抵抗のパロマ。真霜と光留が救出に入り、バックエルボー2連発で串刺し。2人を相手にする鈴木の後ろからパロマがヘッドシザーズ。しかしここでタイツがずれるアクシデント。本人は気がついておらずそのままパロマボンバー。さらにリング中央、鈴木みのるに恍惚を決めてみせる。

 鈴木が起き上がり、がら空きのボディへパンチ。下からのアームロック。タイツがずれており、思うように逃げられないパロマ。Tバック丸出しのまま腕十字。真霜が飛び込んでカット。パロマは丸め込み、マヒストラルと3カウントを狙うが、カウント3は入らず。スリーパーから必殺のゴッチ式パイルドライバー。パロマがマットに沈んだ。

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 破れるも己のスタイルを貫き通したパロマ。試合後の鈴木は真霜と握手、光留へはゲキを飛ばした後に握手。パートナーの矢野、河野とも握手。真霜が気を遣って鈴木をパロマのもとへ導き、パロマはタイツが下がったままながら立ち上がる。「ところでよ、おまえ誰だ!」と言い放つも、パロマの右手をしっかりと握り、その背を叩いた。

 マイクを持ったのは河野。「勝ちチームの河野が最初にマイクを握りました。とりあえず今日出た選手みんなリングへ上がってください。今日はやっぱり勝った鈴木さんがしめた方がいいと思うんで、鈴木さん、御願いします」

 鈴木「しめるってこいつの首もう一回締めるのか? ……天龍源一郎、天龍さんにいま病院でね、ちょっと大変だけど踏ん張ってる天龍さんに一言だけメッセージを送りたいと思います。おい天龍のクソジジイ。何だよ。くたばりそうなのかよ? ……悔しかったらさっさとこのリングに戻ってきて、俺のことぶん殴ってみろ。また来てやるからよ、さっさと戻ってこい。このクソジジイ! ……お前らなんで拍手してんだよ、バカじゃねぇの」

 最後は嶋田紋奈代表に促され「エイエイオー? そんな恥ずかしいの俺がやるわけねぇだろ」と言いつつ「一回とかそんなのやるわけない ……、いくぞー!! エイエイオー! エイエイオー! エイエイオー!!」とエイエイオー3連発。最後は全選手からのサインボール投げが行われた。

光留「3人が3本ベルト見せびらかしながら、ガッチリ負けましたね。だけど天龍祭ならではのカードになりましたしね。負けていいことなんか何もないですけど、負けて終わりじゃないですからね。ねえパロマさん」
パロマ「プロレス王鈴木みのる、鈴木みのるの心の中に、俺のTバックが残れば……いいな」
光留「残したんじゃないんですね。残ればいいな、なんですね」
パロマ「どうだろう。分かんないけど。次、次は ……
光留「次、残ったかどうか確かめに、一回どこかでやりましょう」
パロマ「あぁ、必ず」
光留「言いましたね。僕は止めましたからね」
パロマ「エェ~ ……」

鈴木「(天龍さんは)こんなことでくたばるわけねぇだろう。あのクソジジイ、元気な時に何発俺のこと殴ったと思う。まだ俺、やり返してねぇんだよ。やり返さなきゃ気がすまねぇ。逃げるな、逃がさねぇよ。天龍よ、逃がさねぇぞ。帰ってこい。おまえの生きる場所はリングだけだ。引退しようが何しようがな、俺には関係ねぇんだよ。
ーーいままさに病棟で戦っていると思いますけど、天龍源一郎なら帰ってくると
 帰ってくるだろ、勝ち逃げだぜ、これじゃ。俺のことさんざん殴りやがってよ。殴り逃げだよ。そういう思いが俺にはある。
ーー最後のエイエイオーも届いていると思いますけど
 届かないだろ? 届かないよ。これを見れば届く。そんなことはどうでもいいんだよ。届かせようっていうのは、いる人間の気持ちじゃん。そんなことはどうでもいいんだよ。
 ここから先は、真面目な話。俺がいまから20年前、プロレスの世界に戻って来た時、2003年だ、戻ってきたときに俺に一番最初に英気を与えたのが天龍さん。天龍源一郎、あのオヤジなんだよ。20年前。そして一緒にタッグを組んで、チームを組んで、さぁ暴れようってなったときにバーンとはじけて。あのオッサンとはそれからの付き合いだ。俺にはいろんなプロレスを見せてくれた人が、俺の前にたくさんいるんだよ。もちろん新日本の人たちもたくさんいるし、UWFの人たちもいる。そして、絶対にかかわることのないと思っていた、全日本プロレスだった天龍源一郎エキス。間違いなく俺の中に入っている。俺が道に迷って『俺はプロレスでどう自分を表現していいんだろう?』ってわからなくなった時『なぁ、みのる、気に入らないヤツを全員ぶん殴っちまえばいいんだよ』って、高山と同じことを言ってたよ。それで吹っ切れたよね。だからある意味恩人でもあるし。あのオッサンが辞めるっていった時、最後に俺がぶん殴って辞めさせてやるよって言ったのに、別のヤツを指名した(笑)。だから殴り足りねぇんだよ。だからちゃんと帰ってこい。分かったな。返事は! ……天龍、待ってるぞ」

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