試合結果

2023.03.28

2023年3月26日 新木場大会

2023年3月26日 新木場大会

天龍プロジェクト

『WRESTLE AND ROMANCE vol.11』
シリーズ最終戦

2023年3月26日(日)/東京・新木場1stRING



 『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズ最終戦となる3月26日大会。天龍プロジェクト・嶋田紋奈代表がリングに登場し挨拶。シリーズ完結までたどり着いた御礼を観客に伝えると同時に、この日は天龍源一郎が久々に配信で大会を見届けていること、次シリーズの展望を語った。

「天龍プロジェクトの配信でもご覧いただいている方、たくさんいらっしゃると思います。今大会は久々に大将も配信を見て楽しんでいてくれていると思いますので、最後まで皆さんと大いに盛り上がっていきたいと思います。『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズが本日をもって終わりを迎えます。最初から参戦してきた選手も、途中から参戦するようになった選手も、それぞれが『WRESTLE AND ROMANCE』という言葉の意味を理解して、リングの上で活躍を繰り広げてきた充実した1年だったと思います。大将が途中から参加することができなくなってしまって、私たちの思いに、選手もスタッフたちもお客さんも一緒になってこのリングを守るんだという思いでこの日を迎えられたと思っております。本当にありがとうございます。

 新シリーズは『STILL REVOLUTION』、旗揚げ記念日である4月19日からまた新たに始まります。新しいことを始めるにあたって、この言葉が大将がずっと掲げてきた、革命を続けていくんだ、自分自身を信じてそれでも続けていくんだという力強い思いで、皆様の背中を押せればと、そういう気持ちで大将と一緒につけた大会名になります。今日ここに上がる選手も、新しいシリーズから上がる選手もたくさんいると思いますが、引き続き選手への温かい声援をどうぞよろしく御願い致します。そして大将がそのシリーズで戻ってこれるように、私たちもサポートを続けていきたいと思います」

 続いて場内のビジョンに今シリーズ『WRESTLE AND ROMANCE』の振り返りから次シリーズ『STILL REVOLUTION』へと繋がるムービーが流れる。大会予告の後、売店部長として活躍中の拳剛が登場。長い欠場期間を経て、次シリーズ開幕戦となる4月19日、復帰することを高らかに宣言。盛り上げ役として活躍してきたシリーズ後半を経て、いよいよ選手としてコスチューム姿でリングに戻る日が発表された。

 「新木場ーー! 本日も天龍プロジェクト新木場大会、お集まりいただきありがとうございます。今日でシリーズ最終戦、チケットはなんとソールドアウトだそうですよ! 皆さんありがとうございます。熱いカードが揃ってるんでみんな思いきり応援しまくって帰ってほしいんですけど、今日でこのシリーズは終わり、終わりやけどまだまだ革命は続くわけですよ。4月19日、新シリーズが始まるぜ!! 絶対に来て欲しい。どうしても来て欲しい。なぜなら、4月19日、拳剛復帰します!!! あー長かった。長かったよ。思いきり言わせてもらうぞ。天龍プロジェクトの主役は佐藤光留じゃねぇ、矢野啓太じゃねぇ、拳剛だコノヤロー!!

……とか言うてますけど、俺は今日、全選手思いきり応援するんで、みんな一緒になって応援してください。もっと来いよオラー! オッケーその調子、最後まで今日もプロレスを楽しんで帰ってくれ兄弟! 最終戦、スタート!!!」

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▽第1試合/タッグマッチ(15分1本勝負)

▲谷嵜なおき&児玉裕輔(15分00秒 時間切れ引き分け)進祐哉&ドリュー・パーカー▲

 2月大会に参戦予定だったものの負傷により欠場したドリュー・パーカーが今大会に登場。同大会でドリューの穴を埋める形で久々の参戦を果たした進とタッグを組む。迎え撃つのは谷嵜&児玉の前IJ王者タッグ。入場した児玉は進、ドリューを上目遣いで見つめる。最後に入場したのは前回大会で佐藤光留の持つIJシングルへ挑戦した谷嵜なおき。『WAR』シリーズにおいて、光留&矢野組を打ち破ってベルトを腰に巻いた谷やんコダやんタッグ。タッグ戦線を彩りながらもシングルでも活躍してきた両名、もう1度そのベルトを取り戻すべく王座挑戦を狙う。

 前々日のFREEDOM後楽園大会で自身の代名詞だったデスマッチを封印し、今大会に参戦したドリューが先発。対するは児玉、腕を取るとドリューは噛みつきで返す。続いてアンクルを攻めつつ、自軍コーナーへ引き込むと進にタッチ。児玉もパートナーへタッチ、谷嵜は飛び込むとすぐにエルボー。進も返して打ち合いとなる。

 再び両陣営パートナーへ交代すると、ドリューはこの日全日本から2試合目となる児玉を集中的に攻撃。進も阿吽の呼吸でこの作戦を受け入れ、児玉の指、次いで手首を攻撃。児玉はハンドスプリングで切り抜けると谷嵜へ。谷嵜はお返しとばかりに進の背中へ鋭い蹴りを見舞うと串刺しのヒザ。コーナーのドリューにも一撃し、投げを狙うがこれは粘りでかわされる。タッチしたドリューは高いドロップキックからブレーンバスター。押さえ込むもカウント1で谷嵜が返す。右ストレートを脇固めのカウンターに取ったドリュー。飛び込んだ児玉をすかさず進が抑える。逃れた児玉がカットし谷嵜を救助し、残り時間は5分へ。

 前IJタッグ王者組を相手に引けを取らない戦いを見せる進&ドリュー組に対し、残り3分、素早いタッチワークを見せた児玉が飛び込んで地獄の断頭台へ。カットに入ったドリューがコーナーからコルバタで児玉をなぎ落とす。一歩も引かず四者がもつれ合う中リング上は児玉と進。残り1分、進が児玉をフェイスロック。これを谷嵜がカット、ドリューも飛び込む。強引に谷嵜がカット、進にも一撃。抑え込むもカウントならず、逆に進も取り返すべく切り返したところで時間切れのゴングが鳴らされた。

 結果は引き分けも両軍の闘志は冷めず。互いを挑発し合いながらリングを降りた。

谷嵜「あー、ちきしょう」
児玉「15分じゃ足らなかったですね。短かったですね。でもベルト持ってた僕たちが15分じゃ仕留めきれない、あの2人めちゃくちゃ面白いですね」
谷嵜「足らんなぁ。次のシリーズ期待できるね。谷やんコダやんとしては今日がリスタートってことで、幸先がいいのかどうか分からない。でも気持ちだけはずっとずっと上を見てるから。行くよ! よろしく!」
児玉「次のシリーズも、またよろしくお願いします!」
谷嵜「おう!」

「あれ前チャンピオンだっけ? タッグの。今日はじめて組んだけど、全然射程圏内だな。いつでも行けるよ」
ドリュー「児玉、谷嵜! オマエら何回タッグした? 俺たち個々で初めて組んだチームだけど、ギリギリ勝つ、できなかったよ。これからもっと組んでいけば全然お前らは勝てなくなる。あとタニザキ、これ(額の血を指さして)見える? 分かってるの血? もうデスマッチ引退したけど、俺はまだまだ心にデスマッチを持ってるファイターだと思ってるよ。だからタッグでもシングルでも、お前らいつでも殺すよ!」
「余裕だよ余裕。もう一回組めよもう一回!」

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▽第2試合/シングルマッチ(15分1本勝負)

○梶トマト(9分12秒 レッドアイ)翔太●

 翔太が海外遠征で留守にしていた間に天龍プロジェクトに登場、主に第2試合で独自の存在感を見せつけている梶トマト。青コーナーから先に登場の翔太、梶が場内の手拍子とコールを煽りながら入場する様子を苦い表情で見守る。

 ゴング後もトマトコールを煽る梶。翔太は構わず組み合い、リストを取る。梶も取り返すが構わず腕を攻め、自身の試合ペースへと持っていこうとする翔太。梶もなかなか思うようにならないと感じたのか、シリアスな表情で挑みかかるも翔太の腕攻めは続く。ならばと高速でロープに走った梶、ショルダータックルで翔太を吹っ飛ばす。場外に逃れた翔太、梶は飛び込むと見せかけて「ハイテンショーン!!」と絶叫する。

 札止めの観客を互いに煽りあった後、歓声のボリュームが同じくらいだと確認した両者は握手。よそ見攻撃から翔太が場外へダイブ、コーナーを使ってのコルバタ。梶も負けじと場外へハイテンションダイブ。リングに戻ると翔太のナックルパートからエルボー合戦。渾身のラリアットで翔太が梶をなぎ倒す。

 抑え込むも肩を上げた梶だったが、ダメージからか動きも表情も少なめに。勝利を確信した翔太がフィニッシュの構えに梶をとらえると、すかさず反撃に。起死回生のレッドアイで翔太から3カウントを奪ってみせた。

 勝利を取り逃した翔太は絶叫、パイプ椅子を持ち出すも思いとどまり自分の頭を打ち付けて悔しい表情。勝利した梶は「ハイテンショーン!!」と笑顔で絶叫、現在の天プロ第2試合に梶トマトありを見せつけてみせた。

梶トマト「やったー、やったー、やったー、やったよー!! やった、勝った、勝ったよー!! 翔太さん、翔太くん! 久しぶりの対戦、実力者、実力者の! 翔太からハイテンションな梶トマトが勝ったぞー!! めっちゃ嬉しい、超嬉しいね、嬉しいよーー! これからまだまだどんな戦いになっていくか分からないけどーー! これからも梶トマトはこの天龍プロジェクトに呼ばれる限りーーー!! ハイテンションなトマトを見せていくんで、お楽しみにーー! ハイテンショーーーン!!」

翔太「梶さんとこういう場でシングルを組んでくれた天龍プロジェクトに、非常に感謝しております。ああやって梶さんフリーになって大きい団体でベルトに挑戦したり、フリーランスのレスラーとしてサバイブしている姿を見ているんで、そういう姿に僕は勇気づけられるし、そういうレスラーに僕は対抗心をすごく燃やすんですよ。僕はガンバレプロレスという団体に所属していますけど、つねにサバイバル、サバイブしているつもりでこの業界に生きてるんで。今日こうして梶さんとシングルできたのは僕にとって、かなりプラスになると思います。またあの人がフリーでやってる以上、またどこかで会うでしょう。その時は僕がワン、ツー、スリー。3つ獲ります。ファ◯ク!」

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▽第3試合/タッグマッチ(30分1本勝負)

◯河野真幸&佐藤耕平(13分30秒 片エビ固め)マンモス佐々木&SUSHI●
 ※ブレーンバスター

耕平&河野のWAR6人王者タッグと、大日本のマンモス佐々木・SUSHIの異色タッグの対決。第2試合とは打って変わって大型選手3人が緊張感を生み出したリング上。先発は河野真幸とマンモス、ぶつかり合う音が場内に響く。次いでSUSHIが登場すると若干第2試合の空気に。ヘイラッシャイを乱発しコールを煽るも、じっさい耕平が向かっていくと後ずさり。腰に耕平がミドルを一撃すると悶絶、ヘイラッシャイの間に2発目が飛ばされると「蹴ったらあかんよ」と、まさかの蹴り禁止を勝手に宣言。ならばと耕平は逆水平、コーナーのマンモスは「SUSHI、チャンスだ」「SUSHI、いけ」と煽り続ける。

 カウントは一応カットに入るマンモスだったが、その後もSUSHIは河野、耕平からいたぶられ続ける展開に。ロープ際での耕平のチョップ、場外で河野がコーナーへ一撃。耐えるSUSHIに耕平のヒザが突き刺さる。フィニッシュのブレーンバスターの体制でようやくSUSHIが返し、耕平をブレーンバスター。

 生還したSUSHIのタッチを受けたマンモスは「SUSHIのカタキーー!」と叫んで耕平、河野を一撃。次いで耕平と逆水平合戦を展開し、激しい打ち合いで場内を沸かせる。盛り上がる展開でやる気を出したSUSHIが奮起、自らタッチを要請し河野へマンモスと串刺しラリアット連打。さらに「ヘイラッシャイ」と叫んでのマンモスとのおんぶプレスと、まさかの連携をも披露する。

 泡を食った格好の河野・耕平だったが、お返しとばかりに2人がかりのブレーンバスター。カウントを返すと河野が再度SUSHIを放り投げて抑え込み、3カウントを奪った。決着後、握手の手を差し伸べた耕平に対し、SUSHIは首を振って応えずにベルトをアピール。河野&耕平、そしてアラケンの持つWAR6人タッグベルトへの挑戦を匂わせてみせると、耕平もうなずき、再戦に向け指を1本立ててみせた。

耕平「(河野と手を取り合って)ありがとうございました! 何かアレだね。SUSHIがすごいですよね」
河野「このベルト欲しいみたい、2人で。でもタッグのベルトじゃないからタイトルマッチできないんですけどね。途中から“ブレーンバスタースイッチ”が入りましたね
耕平「6人だから1人足りないんだけどね。まぁこのサイズでやればブレーンバスターでも取れるっていうことをね、見せられたかなと」
河野「あとは耕平さんのチョップと蹴り。面白かったですね。でもまた御願いします」

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▽セミファイナル/インターナショナルジュニアヘビー級タッグ選手権試合(60分1本勝負)

<挑戦者組>◯仁木琢郎&椎葉おうじ(13分03秒 エビ固め)<王者組>レイパロマ&新井健一郎●
 ※マッドスプラッシュ。第22代王者組が初防衛に失敗。仁木&椎葉組が第23代王者組となる。

 前回大会で龍魂杯王者の矢野啓太から3カウントを奪い、ベルト挑戦を宣言した椎葉と仁木の“レッドブルー”。対するはアラケンとパロマの曲者ベテランコンビ。戦い方も年齢も大きくかけ離れた両チーム。握手でクリーンにスタート……と見せかけて襲いかかった王者組。いきなりアラケンがパイルドライバーを披露し仁木を大の字にさせて高笑い。王者らしい堂々とした振る舞いとはかけ離れた、なりふり構わぬ戦い方で挑戦者組をかく乱していく。

 アラケンは仁木をあえてフォールせず、リング下に蹴落としてレッドブルーの連携を封じ、椎葉を2対1で痛めつける作戦に。パロマが椎葉をとらえると、タッチしたアラケンはその顔をかきむしってロープ攻撃。その中でもタッチワークはコーナーロープを掴んでクリーンにと、レフェリーの目を欺くことも忘れない。ローンバトルを強いられる椎葉にパロマは股間を押しつけた上でギロチンドロップ。負けじとブレーンバスターでアラケンを投げ飛ばした椎葉だったが、仁木はコーナーでダウンしたまま動けず。さらに王者組は椎葉のヒザを集中攻撃。アラケンは花道に椎葉を引き込み、記者席の机を使ってニークラッシャー。椎葉の足を殺してスピードを封じ込めにかかる。

 休ませる間を与えずリング内へ戻し、リング内で再びニークラッシャー。苦しい声をあげる椎葉に今度はパロマが恍惚を極める。その間にもアラケンがニードロップを椎葉に落とす。苦しみながらも動けない椎葉。仁木がようやく息を吹き返し、椎葉へ必死でゲキを送る。椎葉がエスケープするとコーナーのパロマをデッドリードライブし、仁木にタッチする。

 怒りの仁木はアラケンへドロップキック、次いでパロマへバックドロップかキャメルクラッチ。飛び込んでハンマーパンチ狙いのアラケンを叩き落とすとパロマとまとめて対角線エルボーと、王者組をまとめて料理する。

 粘る王者組、パロマがニールキック。さらに冒頭で放たれたアラケンのパイルドライバーが再び仁木に突き刺さる。

 絶体絶命の場面を椎葉が飛び込んで救助するも、ダウン状態のレッドブルー。カットに入った椎葉を容赦なく攻め立てる王者組。うつ伏せでダウンする仁木は立てず。余裕のパロマとアラケンは椎葉を料理にかかるが、ここで息を吹き返した仁木が同士討ちを呼び込み、パロマの急所攻撃がアラケンへ誤爆。リング上、アラケンの命乞いを仁木は拒否。その背後から椎葉がドロップキック。ハリケーンドライバーからマッドスプラッシュへつなぎ、仁木が3カウントを奪った。

 序盤の苦しい展開を耐え抜き、ベルトを手にしたレッドブルー。タッグとして初の勲章をシリーズ最終戦で手にした。

パロマ「(コメントブースに座り込んで)アラケンさん……ベルト……やっと獲ったのにもう負けちゃった。俺たち、もう終わったんすかね」
アラケン「バカ野郎。まだ始まっちゃいねぇよ。ハハッ、笑いとばそうぜ、こんな負け。まぁこれであいつらが新チャンピオン? 負け惜しみでもなんでもいいよ。世界中のプロレス界、いろんなタッグチャンピオンいるだろうけどよ、今ここに誕生したぜ。世界でナンバーワンの試合後のコメントが一番つまらねぇタッグチームがよ。見てみろ、どうせあいつら、よっしゃ、勝った勝った、俺たちがチャンピオンだー、これから天龍プロジェクトのタッグ戦線、俺たちが盛り上げるぞー、何回でも防衛してみせる、誰でもかかってこいー、くらいしか言わないんだよ。それがどうしてか分かるか。オマエたちは天龍源一郎のプロレスから何も学んじゃいねぇ。だって天龍さん、俺たちが見てた頃、試合後のコメントもシビれたじゃん。TVでコメント流れなかった時はさ、何日か後の『週刊ゴング』小佐野さんが一生懸命書いたコメント、あれまで楽しみにしてましたよねぇ。あいつらよ、冗談じゃねぇ。俺たち、まだ終わってねぇからな。(パロマの傷を指さして)この傷、忘れねぇからな。バカ野郎!」

仁木「よっし! よっしゃぁ! 獲ったぞ! この歴史あるベルト、そしてあのチャンピオン2人から獲ったことにすごく意味がある。そして椎葉さん、あなたと獲ったことにものすごく意味がある。このリング、普段自分たちが上がっているリングもそうだけど、このリングは特に思い入れのあるリングだから、このベルトこれからも俺たちでもっともっと盛り上げて行きましょうよ」
椎葉「天龍プロジェクトに参戦しはじめてから約1年、ようやくこうやって結果を残すことができました。少しおこがましいですけど、僕ら若い世代が龍魂を背負って、これからもこのリングで、それ以外のリングでも戦っていきます。とりあえず今日はこのベルトを獲ったこと、かみしめながら、めっちゃかみしめながら、また次の戦いにそなえます。よし、仁木。これからもレッドブルーとして結果を残していこう!(ベルトを持った手の拳を椎葉と合わせて)OK! よーし!」

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▽メインイベント/『WRESTLE AND ROMANCE』シリーズ最終戦スペシャルタッグマッチ(60分3本勝負)※1本勝負から変更

◯佐藤光留&矢野啓太&鈴木秀樹(2-1)那須晃太郎&岩崎孝樹&渡瀬瑞基●
 ①◯光留(4分47秒 エビ固め)岩崎●
 ②◯岩崎(18分38秒 腕ひしぎ逆十字固め)光留●
 ③◯矢野(12分29秒 プレジデント・コンクエスト)那須●

 2022年4月からスタートした天龍プロジェクト『WAR』シリーズ最終戦を飾るスペシャルタッグマッチ。IJシングル王者の佐藤光留、龍魂杯王者の矢野啓太の天プロ2トップとシリーズ参戦のたびに話題を提供してきた鈴木秀樹が組み、敗れてもその闘志を観客に刻みつけてきた挑戦者組の那須、渡瀬、そしてIJ挑戦を熱望する岩崎組を迎え撃つ。

 渡瀬は腰にガンプロのベルトを巻いて入場。次いで岩崎、那須、そして鈴木、矢野がリングへ。最後に花道へ佐藤光留が現れると、挑戦者組の三者はロープ際へ。今にも食ってかからんばかりの3人をレフェリーが抑える。不穏な空気が流れる中、天プロ嶋田紋奈代表もエプロンへ。レフェリーを交えた協議後、試合は急遽60分3本勝負として行われることがアナウンスされる。

 光留が先発で現れると、我先にと先発で出ようとする渡瀬、那須、岩崎。引かないとみるや岩崎はパートナーである那須、渡瀬をリングしたへ放り投げ、強引に先発へ。ゴングが鳴らされると場内は水を打ったように静まりかえり、2人を見守る。

 前へ出た岩崎がロープに押し込む。レフェリーがブレイクを命じるもなかなか離れない。再度リング中央で見合うと、今度は組み合って光留が腕を取りに行く。投げて返した岩崎、肩を付けてカウントを取りにかかる光留。返した岩崎は足を取り、次いで首を取って立ち上がると光留をゆっくりとロープ際へ。離れ際に音を響かせてチョップを叩き込む。光留も返して打ち合いに。岩崎の体勢を崩して押し込み、腕十字へ。岩崎が返すとすぐに足を取って片エビに抑え込み、3カウント。1本目を先取した。

 カウントに納得いかない様子の岩崎。2本目スタートと同時にフロントキックからエルボーを連打、ヒザ蹴りと荒っぽく光留をコーナーへ引き込んでパンチとストンピングを落とす。その間に那須が背中を叩き、試合権利は交代。那須の蹴り足をキャッチしてコーナーへ戻った光留、矢野がタッチしてリングへ。

 リング上は矢野と那須。龍魂杯でも対戦した両者、組み合うと矢野はすぐに那須の背後へ。那須はこれを読んだか腕を取りに行く。矢野もすぐさま腕十字、那須が足関節へと取り合いに。矢野も取り返し上から体重をかけてダメージを与えていく。渡瀬がルールも構わずにカットに入るべく睨み据えると、矢野はいったん引いてコーナーへ。鈴木へとタッチする。

 那須と鈴木が対峙、力比べから腕を取られた那須。そのまま那須が自軍コーナーへ。ここで渡瀬が入り、鈴木と対峙。鈴木をロープに押し込み目力で圧をかける渡瀬。ロックアップでロープ際へ押し込むと、頭をポンポンと叩いて挑発する。鈴木は表情を変えず、もっと打ってこいと挑発。渡瀬が打ち込むも、鈴木は一撃でなぎ倒してしまう。倒れた渡瀬に鈴木はさらにエルボー連打。目がうつろな様子にレフェリーがダウンカウントを数える。矢野がリングへ入り渡瀬を体固め、カウントは返すも思うように動けない。

 リングに手をついた渡瀬、矢野はその手を踏みつけると自軍コーナーへ。鈴木が場外で強烈なアッパーカットエルボー。渡瀬のアゴを上げさせ、あえて反撃させるとさらに強烈な一撃。ここで光留がタッチ、ボロボロの渡瀬だが光留を睨む目力は弱まらず。ロープへ走った光留に渡瀬がドロップキック、一撃してタッチと思いきやもう一度光留へと向かっていく。渡瀬がエルボーを放つと光留も返し、エルボーの激しい打ち合いに。追撃を加えようとするも前のめりに崩れてしまう王者。渡瀬はそれを引き起こして一撃。これに光留も返しエルボー。打ち合いからさらにゴツッという音を響かせて頭突き。これにニヤリと笑った渡瀬。打ち返したところを捕獲、ブレーンバスターを狙ったところを渡瀬が切り返しジャーマンを放つ。

 ここでタッチを受けたのは岩崎。先ほどのお返しとばかりに強烈なミドル。前蹴り連打からミドル。下から腕を捕獲する光留、岩崎は顔を踏んでこれをカット。アームロックもエスケープで逃れた岩崎がキャプチュード。ヒザ十字から延髄切り、マウント状態でカウントを取りにかかるも岩崎が返す。

 光留の勝機とみた鈴木、矢野が飛び込んで渡瀬、那須を抑える。光留はヒザ十字から腕十字で岩崎を捕獲、痛みに悶絶しながらも岩崎はこらえ、エスケープ。

 ミドルから水車落としの体勢へ繋げるも、岩崎は拒否。腕十字で光留のクラッチを切る。王者の腕が伸び切った状態となり、鈴木、矢野がカットを狙うも那須、渡瀬が逃さず。光留がギブアップし、現IJ王者が2本目を落とす展開となった。

 腕の痛みにうめき声をあげる光留。岩崎もダメージは大きく、幾度も極められた腕を押さえる。両陣営ともすぐにパートナーにタッチ、那須と鈴木へ。スリーパーを狙う那須、鈴木は崩して上になると体格差で抑え込むが、那須はエビで返しスタンドへ。鈴木の攻撃に引かず、食らいつく那須だったが、アキレス固めにうめき声をあげてエスケープ、場外へ。カウント8でリングへ戻るかと思いきや、ダメージで倒れている光留へ蹴りを一撃。あくまで狙いは佐藤光留だと見せつけてから渡瀬へタッチする。

 エルボー連打に対し鈴木は強烈な一撃で返す。しかし渡瀬は引かずジャンピングハイキック、低空ドロップキック。手こずった様子の鈴木はバックブリーカーを一撃し矢野へタッチ。矢野はレッグブリーカーからロープに渡瀬の足を叩きつけ、ヒザへダメージを与えて試合ペースを掴ませない。さらにコーナーから逆カーフブランディング。矢野の挑発に渡瀬は本家カーフブランディングを放ち、那須へタッチ。食らいつく挑戦者組が光留、矢野、鈴木のスタミナを奪っていく中、矢野が那須へゆりかもめ。那須は体を返してカウント狙い。返されるとPKからバックドロップ。着地して返した矢野は腕と足を両方絡めて那須をとらえる。しかしこれを渡瀬が背後からのセグウェイで荒っぽくカット。鈴木が渡瀬を抑える。

 岩崎と光留、鈴木と渡瀬が場外でやり合う中でリング内は矢野と那須。ロープに投げようとする矢野、投げられまいと踏ん張る那須。ならばと矢野は那須の両足を絡め吊り天井へ。さらにフェイスロックの形へ持ち込むプレジデント・コンクエスト。那須を完全捕獲してギブアップを奪った。

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 2-1で勝利した光留、矢野、鈴木組。対戦をアピールし詰め寄る渡瀬に鈴木は「やだ」と首を振る。さらに詰め寄るもあくまで首を振り続ける。場外で光留は失神状態、マイクを持った矢野が「光留さん、光留さん」と呼びかけるが答えず。矢野はそのままマイクを続ける。

「本日は『WRESTLE AND ROMANCE』最終戦、ご来場ありがとうございました。そして、また早くも次のシリーズが待っています。革命は続く。それは一番、僕にうってつけのものなんだよね。皆さん、リングへ上がってください。(レッドブルーに)タッグチャンピオン、おめでとう。このメンバーでやっていく、それだけじゃないからね。まだまだ次のシリーズ楽しみにしていてください。以上、ノーコメント。久しぶりにエイエイオーで今日は終わりたいと思います。声出していいからね、立ち上がって。天龍源一郎がいなくても、シリアスな、シビアな戦いをこれからもやっていくんで。いくぞー! エイエイオー! エイエイオー! エイエイオー!!」

 シリーズの最後をエイエイオーで締めたのは『龍魂杯』覇者にして3本勝負の最後を決めた矢野啓太。ミスター天龍プロジェクト・佐藤光留は、激戦のダメージでリング外に倒れた状態でフィナーレを聞くラストとなった。

矢野「(鈴木に)勉強になりました。レスリングに新しいも古いもないから。基本的なことをやってるだけだから。これからも天龍プロジェクト、見逃さないでください。今日はありがとうございました。僕からは以上、ノーコメント」
鈴木「(渡瀬からアピールがあったが)やりません。絶対やりません。何故か? 理由はないです。単にやりたくないからです。そんなに言うならオマエがギャラを払え、金で解決しろと。(戦った印象は)体格のわりには、力強い技を出してくるというか、打撃、パフォーマンス含めて強烈でしたね。(ただ「やらない」と)やらないですね。逆になんでですか? やったほうがいいですか?(渡瀬がアピールしてたので)アピールするのも自由だけど、断るのも自由じゃないですか。好きとか嫌いじゃない。やだ、と。ギャラを払え、と。現金で」
※佐藤光留は試合後のダメージが深くノーコメント

岩崎「おい、どっちだ最後、リングで寝てんの。あぁ? チャンピオンだろ、のしてんの。取られたたけど取り返して、もう文句ねえだろ。逃げんじゃねぇ、そろそろ。新シリーズ、IJシングル、俺にいかせろや。逃げんじゃねぇ。これでいいだろもう。それだけだ」
那須「ポカしたやつが言えることじゃねえだろ。俺も負けちゃったけど。俺もまだチャンスがあると思ってるから。今シリーズも今日で終わりだけど、来月からの新シリーズで佐藤光留に挑戦して、俺がIJチャンピオンになってやる。見とけ!」
渡瀬「天龍プロジェクトで一番やりたい相手、3人揃えてくれたのがすげぇ嬉しかったし、チャンピオンはもちろん、矢野さんとも何回もやったことあるし、鈴木秀樹さん。あの人、面白い。すごいレスラーだって思ってたけど、やっぱ手を合わせて、とんでもない人だなって。プロレス何年もやっててもこうして新しい喜び、毎回デビュー戦のような喜びが味わえるのがほんとに嬉しいですね。もちろん悔しいけど、嬉しいのほうが多いですね。鈴木秀樹と手を合わせて、鈴木秀樹を感じたこと。これからもちろん狙って行きますよ。チャンピオンだけじゃなくて、矢野さん、鈴木秀樹。もちろん狙っていきます。(鈴木はやりたくないと言っていたが)やりたくないとやりたい、半々だからあと決めるのは上でしょ。お客さんがどんだけ、期待するかでしょ」

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